8/6(金)音楽をたよりに①
2021年8月 7日 Posted in 中野note
↑最近よく聴いているCD
唐さんと、よく音楽の話をしてきました。
私たちは常に、劇で使う良い曲はないものか。
そう思って生活しているとことがあるのです。
例えば、かつて高円寺に「さわやか」という焼き鳥屋さんがあって、
ここで唐さんと飲んでいると、店内に流れている有線に
反応されることがよくありました。「この曲、いいねえ!」って。
すると、私や唐組の人たちは、
急いでその曲のサビの部分を覚えておいて、後で曲名を調べる。
こんな風にして、例えば杉良太郎さんの曲のイントロが、
紅テントで鳴り響く。そんな結果につながったこともありました。
アンテナは常に張られているのです。
興味を持つジャンルは多岐にわたり、
フォーク、ワールドミュージック、歌謡曲、ポップス、
ロック、プログレ、サウンドトラック、ジャズ、クラシック、
なんでもあり。
この間、自分は車での移動中にはずっと、
メンデルスゾーンの弦楽四重奏 第二番を聴いています。
実際に劇に使っているわけではないのですが、
自分の中では、この曲を頼りに劇を構想してきたところがあります。
メンデルスゾーンは1809-47年を生きた人なので、
シーボルト父子の人生や江戸末期と時期が重なるところもあり、
劇を考える時のヒントにしてきました。
音楽を通すと、歴史上の人物たちが実際に生きていた、
そういう実感を得ることができるのです。
「劇を構想するとき、ある音楽を頼りにする」
学生時代に聴いた多くの唐さんの言葉の中で、
特に印象に残ったフレーズのひとつです。
ちなみに、メンデルゾーンのこの曲は、
2014年に台東区入谷で行った『パノラマ』公演をきっかけに
知りました。あの催しの拠点だった焼き鳥たけうちには、
(またしても、焼き鳥屋さん!)
近くに東京芸大や上野学園があるおかげで、
多くの音楽関係者が集まります。
そこで知り合った音楽家の一人、
東京都交響楽団に所属されているヴィオラ奏者の村田恵子さんに
誘われて聴きに行ったエピス・カルテットのコンサートで、
私はこの曲を初めて聴き、大好きになりました。
今では録音をいくつも持っていて、
マノン・カルテットという弦楽四重奏団が特に気に入っています。
終楽章の最後、冒頭の主題が再現されるところはいつ聴いてもグッとくる。
いま上演中の劇も最後はこんな風になればいい!
そう思ってつくってきました。
嬉しいことに満席も出ていますが、9日(祝月)まで公演していて、
回によって、ご覧いただくことができます。
https://twitter.com/butai_koto/status/1423589410902208512?s=19
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