8/9(金)甘粕大尉から小日向白朗へ

2024年8月 9日 Posted in 中野note
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↑甘粕正彦さんとは違い、戦後も生きて活躍した小日向白朗さん


毎朝、『少女都市』を読んでいると、これがひどく報われなかった
作品だということがわかります。

一つには、例の状況劇場vs天井桟敷のケンカ騒ぎによって、
ただでさえ少なかった公演回数がさらに縮小してしまったこと。
当時の観客はスキャランダラスな事件に熱狂するばかりで
劇の中身など吹き飛んでしまっただろうことは簡単に想像がつきます。

それに、『少女仮面』の向こうを張って書かれ過ぎています。

例えば、3部構成の真ん中は『少女仮面』の腹話術劇ならぬ
人形劇が展開するのですが、これが『少女仮面』ほどには上手く
いっておらず、なんだかカオスなパペットショーといった具合。

『少女仮面』で登場した甘粕大尉を意識して、『少女都市』には
馬賊王と言われた小日向白朗の名前が何度も登場しますが、
これも、そこまで効果をあげているかといえばいくつも
クエスチョンが浮かんでしまいます。
(唐さんは「朗」の字を「郎」と改めて書いている)

でも、これらはあくまでも現段階での感じなので、
何か活路はないかと、さらに読み深めています。

早朝に『少女都市』を読んだ後、昼間の自分の頭の中は
くだんの小日向白朗や満州でいっぱいです。
お盆周辺、日本全体が「戦争」を考えるこの時期に取り組む課題
としても適切なように思います。「満州」「馬賊」「建国大学」・・・

本を読み、ドキュメントを見ていると戦前と戦後が地続きである
という当たり前のこともわかってきます。

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