9/1(水)難役、三腐人!
2021年9月 1日 Posted in 中野note
左から、松本一歩さん、佐野眞一さん、佐藤昼寝さんの3人が、
それぞれ乱腐(らんぷ)淫腐(いんぷ)珍腐(ちんぷ)を演じています。
今日は三腐人の場面を稽古。
この役はどうにも曲者で、今後の道のりの険しさを痛感しました。
何回も繰り返し稽古しましたが、喉への負担も大きく、
こまめに休憩してはチャレンジの繰り返し。
けれども、即時解決は難しく、問題提起的な稽古に切り替えました。
なんといってもこの役は演じ手にとって難解なのです。
思えば、初めて『唐版 風の又三郎』を読んだ大学一年生の時、
私の頭を真っ白にしたのがこの三人衆でした。
名前からして、どんな人たちなのか、そも人間であるかどうかわからない。
必然、せりふやト書きから彼らの内面をまったく想像できず、歯が立ちません。
さらに、そんな彼らが割と序盤に登場するものですから、
読み進めるのに苦心したのをよく覚えています。
ところが2019年の年末に、
久しぶりにこの演目の上演可能性を探った時、
革命的に目を見開かされたのもこの役でした。
さすがに20年も唐さんの作品に取り組んできたおかげで、
彼ら3人の人間味を感じられるようになったのです。
どうして彼らは自らを腐っていると言うのか。
なぜ帝國探偵社にいて、どういう職場なのか。
前職への執着やそれぞれの性的嗜好まで、
唐さんが仕込んだヒントをキャッチできるようになっていました。。
けれども、私が頭で理解しているのと、
役者が実際に体現できることの間には、大きな隔たりがあります。
この役を演じる役者たちは、必ず苦労するのです。
その突飛なキャラクター名、傍若無人なせりふの数々が、
役者から冷静さを奪い、盲滅法な動きやせりふへと突進させてしまう。
今日は稽古の進行役として、改めて難しさを痛感させられました。
と同時に、これからの苦労に対して覚悟も決まりました。
前回にレポートした佐々木あかりとともに、
時間をかけてコツコツ染み込ませていくのが最短距離です。
回数を恐れない根気がとにかく必要です。
ちょっと稽古スケジュールを工夫する必要を感じています。
全体の進行を管理している、禿恵に相談しなければ!
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