9/1(木)基本的に間違っていた
2022年9月 1日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑白い衣裳がジャンヌ・ダルクを演じた俳優さん
バイセクシャルを公言しており、鎧をまとう時の腋毛が印象的。
横浜国大の先輩、黒木香さんを思い出した。
うちの子どもたちも保育園で避難訓練をしているらしい。
関東大震災は1923年に起こったから、来年で100年が経つ。
自分が生きてきた期間だけでも、
阪神淡路大震災、中越沖地震、東日本大震災と
大きな地震が続いてきた。かなりの頻度だ。
子どもの頃にはわからなかったけど、
親になって避難訓練の大事さがわかった。
災害はいつも不測の事態だけれど、それでも、
訓練があるのとないのとではだいぶ違う。
テント公演をする時にも、私たちは避難誘導訓練をする。
演劇史的には、
関東大震災は築地小劇場の成立に影響を与えた。
震災後は建築基準法がゆるみ、建てられる建物のバリエーションに
幅が出た。その機に乗じて新劇の始祖たるあの劇場は成立したらしい。
第一次世界大戦の敗戦国であるドイツやロシアの貨幣価値が下がり
留学しやすくなったこと。震災の影響。といったもので
演劇ムーヴメントが成立したとは。因果なものだ。
さて、昨日のこと。
だいぶ豪快に間違えてしまった。
グローブ座で新たな演目がスタートしたので観に行った。
ずいぶん前に日本から取り寄せていたシェイクスピア『ジョン王』の
台本も読み、歴史も調べ、予習はバッチリだった。
いつものように、5ポンドの立ち見席へ。
しかし、冒頭シーンからかなり違う。
女の子が出てきて独白を始めた。そして剣を振りかざす。
グローブ座は基本的に原点主義だから、
ここまで原作と違うとは何事かと思った。
カバンに入っていた台本と見比べても、冒頭シーンからぜんぜん違う。
そして気づいた。これは『ジョン王(John)』ではない。
よく見ると、タイトルは『I, Joan』→"わたし、ジョアン"だ。
つまり、ジャンヌ・ダルクの劇。
作者はシェイクスピアですらなく、
現代作家が書いた新作のお披露目だったらしい。
グローブ座では、シェイクスピアでは無い作家もの劇もかけるのだ!
そこからは、必死にせりふを追いかけて内容を追った。
セットはほとんどないから情報源は圧倒的に言葉。難しかったけれど、
有名なジャンヌ・ダルクの一生をベースにしたものだから、
その本案やパロディとして何とかついていけた。
グローブ座に何度も来るうち、何人か顔を覚えた役者もいて、
彼らを応援しながら愉しむやり方もわかってきた。劇団の魅力だ。
それにしても、あまりにも基本的な、こっぴどい間違いだった。
愕然とする。ロンドンではこういうことがたびたび起こる。
かなり情けない気持ちにもなるが、笑ってすますことにする。
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