9/13(火)夏の終わり

2022年9月13日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
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写真では多く見えるけど、イスの数は300くらい。大きなホールより
かなり少ないので、いつも売り切れる。


朝起きたら、霧がかかっていた。
すっかり忘れていたが、確かに春までのロンドンはこんな感じだった。
必然、やや肌寒い。

こちらでは先週の木曜に女王が亡くなり、
興行が停止するかと思いきや、予定通り行われるものもある。
自分が予約していたものはたまたまそれにあたり、
金土日と夜は何かを観て過ごした。

いずれも音楽がらみだったから、冒頭はGod Save The Kingを捧げる
ところからは始まる。同じ曲のタイトルがQueenからKingに変わった。

土曜に行ったペッカムは、
治安の悪い南ロンドンの中でも札付きの一つだ。
ブリストン、ニュークロス、デトフォード、ルイシャム・・・
ペッカムでは語学学校の友人がケータイを奪われた。
バス停のベンチに腰掛けてスマホを操作していたところ、
ヒョイと持ち上げて逃走されたのだ。

そういう場所の、駅前のビルでフィルハーモニア管弦楽団の
コンサートは行われた。映画館とかゲームセンター、ビアガーデンが
雑居するビルの立体駐車場がライブ会場として使われており、
そこでラフマニノフのピアノ協奏曲2番をやった。

この場所とこのオケの組み合わせは3回目だ。
この夏に行われた演奏会をすべて聴いた。
とにかく会場が好きなのだ。手の届きそうな天井により
増幅された轟音、隣近所で飲む若者たちの声、脇を走る国鉄の
レールの軋み、そういったものがガンガンに闘うのだ。

いつも演目は1曲か2曲で、1時間くらいで終わった。
それでいて入場料は一律4,000円。

都心の立派なホールで2時間半の公演を1,800円くらいの席で
聴くより割高な感じがする。けれど、好きなのだ。
演奏スペース近くの吹き抜けの部分はカーテンで覆っているけれど、
客席半ばくらいからは外の景色とコンクリートの隙間から沢山
のぞいている。なにせ駐車場なのだ。

冷暖房なしだから、夏限定の会場だ。
ずいぶん愉しませてもらったけれど、今年はこれでおしまい。
来年またやるかどうか分からないけれど、やったとしても
自分はいない。今後イギリスに来ることがあっても、
まずは仕事だろうから最後かもしれない。
だから、3回とも行った。

メインシーズンが帰ってくると、こういう遊びの公演も終わる。

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