9/15(水)愛と決闘の3幕終盤
2021年9月15日 Posted in 中野note
この芝居自体のクライマックスでもあるこの場面は、
全体を通してもっとも多くの登場人物が入り乱れる場面です。
帝國探偵社と自衛隊員たちが一致団結してエリカと織部と
向き合う対峙の果てに、高田三郎の家族を引き連れた夜の男が登場。
いまや高田のエキスを体にとり込んだ織部に決闘を持ちかけます。
そこからはサシでの決闘。人情沙汰。物語は加速度的に悲惨の度を
高めていく、という具合です。舞台上に、15人くらいいる。
けれど、今は緊急事態宣言下。
そのために例え本来は舞台上にいるべきメンバーであっても、
せりふや段取りのないメンバーには我慢してもらいました。
必要最小限の役者たちを揃えて、段取りの確認から入りました。
で、稽古が進むうち、もっとも盛り上がるのはやはり決闘周辺です。
『唐版 風の又三郎』の決闘は、気合い充分にしてどこか情けない。
このあたりのバランスが絶妙なのです。
思えば、唐さんの劇、特に70年代の芝居には、
クライマックスにおいて執拗に決闘シーンが展開します。
唐さんは決闘好き。
そういえば私の学生時代、唐さんはマカロニウエスタンの面白さを
力説されることがありました。
当時の私はサウンドトラックマニアで、いつも映画音楽を聴いていました。
必然、マカロニ〜も聴く。すると、これが実に粒揃いで、
唐さんの前でCDをかけて紹介したこともあります。
自然に話が盛り上がって、唐さんが学生時代に観ていた映画の話になる。
そんなことも思い出しながら稽古しました。
それぞれの登場人物がその時々で何を考え、受け止めているか。
人の数だけ時間がかかりますが、丁寧にやるだけ仕上がりは上々です。
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