9/1(月)『お化け煙突物語』本読みWS 第5回 その①
2025年9月 1日 Posted in 中野note
↑一幕の最後でベッドに乗り、走り去る前(2006.5唐ゼミ☆公演より)
前回の開催から『少女仮面』公演を挟み、3週間ぶりのWSでした。
読み始めた箇所はちょうど二幕の最初からでしたが、間が空いたので、
一幕の復習から始めました。そこで今日は、改めて一幕のまとめ。
この物語は、ヒロインを「江ノ島カイ」とし、彼女の行動を
男性主人公である「探偵」の視点から見るという枠組みになっています。
一幕において、まず「カイ」はバイク乗りとしてフルフェイスの
ヘルメットをかぶり、トラックの荷台にしがみつく姿として
「探偵」の前に現れました。トラックもバイクも走行中ですから、
かなりアクロバティックな登場です。
なぜ「カイ」がこんな突飛な行動に及んだかといえば、
トラックの荷台に乗せられたベッドが、亡き養母の形見だからです。
「カイ」は、玉の井の女郎蜘蛛と呼ばれた娼婦「ツレちゃん」に
育てられました。「ツレちゃん」は誰をも魅了する必殺の流し目を
持っており、電車の中から車窓の外にいる人々に流し目をくれて
悩殺するという過酷な修行?により、その技は「カイ」に伝授
されています。ですから一幕では、その流し目がコミカルに
繰り広げられる場面がたくさんあります。
「カイ」の追うベッドは舞台となる鉄道病院に運ばれ、
かつて「お化け煙突」のたもとでメチル・アルコールを飲料として
商った「大塚の母(通称:ワシ)」の寝床として活用されています。
「カイ」としては、これを取り戻したい。
が、このベッドは数奇な運命を辿ることになります。
「大塚の母」がメチルを売ったことにより、盲目となった被害者たち
(「蟬丸」「とかげ丸」「蜂丸」)が復讐にやってきて、ベッドごと
「大塚の母」を連れ去ってしまうのです。なぜかベッドにはトロッコ
のような仕掛けが施されており、レールに乗せられたベッドごと、
「大塚の母」「蟬丸」「とかげ丸」「蜂丸」「カイ」の五人が走り去って
しまう、という奇想天外な場面が前半のハイライトです。
ベッドを取られまいと一緒に走り去った「カイ」を追う、
「探偵」の視点から、二幕が展開します。
続きは、明日。
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