9/7(日)『少女仮面』はさらに続く(椎野)

2025年9月 7日 Posted in 劇団員note
私に、できるのだろうか。

昨年はじめて『少女仮面』を劇団唐ゼミ☆で上演しようと決まった時、
久々に舞台に立つからというだけなく、『少女仮面』という作品に対して
妙に怖気付いていたことは確かです。

こんなにありとあらゆる先達たちが挑戦し、
演出の限りを尽くしてきた『少女仮面』に
春日野八千代として、私は何ができるのだろう。

昨年も今年も、冷静に役・作品に立ち向かえたかと問われたら、
若い頃とほとんど変わらず「無我夢中で自分の限りを尽くしました」
としか言いようがなく、噛んだハンカチを噛みちぎるほど
「離見の見」が欲しい!
最後まで集中力を切らさぬ体力が欲しい!!
と今でも肩を震わせています。

ただ、今回、「老婆」という役を与えてもらったことで、
目の前に広がる光景が、驚くほど違って見えました。
老婆の眼から見る、春日野八千代や貝、主任、ボーイ達に水道のみの男。
そうか、ここまで本気で違う役から景色を見てみないと
わからないことがあるんだ、と気づくことができました。

もっと本気で具体的に、自分以外の登場人物へなりきっていくこと。
それが、己の役への理解をもうひとつ違った角度で深めることができる。
これが今回の最も大きな収穫でした。

『少女仮面』は、個人的に、ひとつ理解したかと思うと、
ひとつ謎が深まり、永遠に謎が解けていかないような迷宮感があります。
その、ゆらゆらした中でも、すこしずつ固まっていく、役柄が辿るべき道が
見えてきている気がして、どんどん『少女仮面』が好きになってきました。

おかげさまで、子どもたちも、喧嘩をすると「お前は靴だ!」
と踏みつけ合ってますので、そのうち『少女仮面』について、
色々、議論してみたいと思います。

会場に足をお運びいただいたみなさま、そして応援いただいたみなさま
本当にありがとうございました。

また劇団唐ゼミ☆が神出鬼没的に『少女仮面』をひっさげて
どこかで現れるのを心待ちにしていてください!

20250907zemirogu.jpg
(写真:伏見行介)








トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)