9/8(月)『お化け煙突物語』本読みWS 第6回 その①

2025年9月 8日 Posted in 中野WS『お化け煙突物語』
昨晩の本読みワークショップについてレポート。
読んだ箇所は、二幕が中盤に差し掛かるところです。
養母「ツレちゃん」のベッドと行李、行李の中に入った野呂松人形を
求めてやってきた「江ノ島カイ」と「探偵・金田」が過去について
語り合うところをメインに読み進めました。

まず、「カイ」は目を痛めています。
一幕最後で、「蟬丸」「とかげ丸」「蜂丸」が恨みに思う「大塚の母」を
ベッドごと連れ去った。そのベッドに「カイ」も乗り、ここまで
やってきたわけです。が、途中で「カイ」は殴られ、ベッドから転落。
その時、顔を殴られたために必殺の色目ごと負傷しつつ、こうして
徒歩でコウモリ・ホテルに辿り着きました。

一方、「探偵」は「カイ」の色目を追ってきていました。
その効力が途中で失われたのを疑問に思いつつ、何とかたどり着いた
わけですが、果たして「色目」パワーが失われた原因が、「カイ」が
殴られていたからだと合点がいきます。

「カイ」が、荒川を越えて歩いたためにずぶ濡れになった「探偵」の
靴を氷嚢がわりに使うところから、彼らの過去に対する問答は始まります。

お化け煙突の「四」という数字にちなんで、過去が紐解かれます。

四.現在
「カイ」と「探偵」はコウモリ・ホテルで落ち合っている

三.近過去
トラック荷台にしがみつく、あるいは、トロッコ・ベッドに跨る
「カイ」の色目が「探偵」を射抜いた

二.遠過去
「探偵・金田」と「カイ」は、お化け煙突近くにあったダイカスト・
メッキ工場の同僚だった。「金田」が熟練工で、「カイ」が研修生

一.過去の大事件
「カイ」の研修中に、「カイ」の手と「探偵・金田」の手が溶けた金属に
より癒着してしまった。「カイ」の肉の一部は「金田」側につっくき、
以来、「金田」の手は動かない

これらが明らかになり、さらに「カイ」は、相手を『雪の女王』の
主人公になぞらえていることを告げます。「金田」の「金」はドイツ語
で「ゲル」。「カイ」と「ゲルダ」こそ、『雪の女王』の主人公である
少年と少女なのです。(つまりジェンダーは逆)

「カイ」と「探偵」の過去が明かされたことで、二人の協力関係が
築かれます。「カイ」が目指す、「ツレちゃん」のベッド・行李・人形を
取り戻すことができるのか。

そこに、「大塚の息子」と揉める盲人たちが帰ってきます。
続きは明日。

↓溶けた金属が二人の手を癒着させてしまう
pixta_34176240_XL.jpg


トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)