9/21(水)安保さんが亡くなった日
2022年9月21日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑2011年のリサイタルより。ステージ上でいつも張り詰める唐さんも、
安保さんが横にいれば安心の表情
昨日、9/20は安保由夫さんが亡くなった日だった。
改めて思い出してみれば、2015年のこと。
もう七年も経ってしまったのかと驚く。
ほんとうに、ちょっと前まで安保さんの肉声を聞いていた
ような気がするけれども、あの時はまだ、今度6歳になる長男が
生まれる前だったから、確かに七年だ。
安保さんが亡くなった日、セレモニーはやらないと聞いたけれど、
居ても立っても居られなくて、高円寺駅南の火葬場に押しかけた。
唐組や梁山泊のメンバーはもちろん、状況劇場で同級生的な
仲間だった十貫寺梅軒さんや小林薫さんも来ていた。
式はないけれど、それに匹敵する人の輪がそこにあって、
僕らも末席に加えてもらった。
あれから、『あれからのジョン・シルバー』や『唐版 風の又三郎』を
二度ずつやった。その度に安保さんを思い出してきた。
ああ、生きていてくれたらなあ、と思う。
紅テント在籍中、卒業後も安保さんが手がけた歌で、
まだまだ知られていない劇中歌があると思う。
『音版唐組(CDで復刻し『状況劇場劇中歌集』)』に
収められたのはいずれもそれぞれの演目中、メインに歌われた唄。
けれど、ちょっとしたコミックソングや、役者たちが群れなして
歌うような記録に残りづらい劇中歌の中にも、安保さんの傑作はある。
ちょうど、劇団員たちとオンラインで『ベンガルの虎』を研究している。
10月後半から唐ゼミ☆WSも同じ演目を読むことにした。
あの中でヒロインが歌う『雑巾の唄』はもちろん良い。
でも、女性劇団員たちが唐行きさんに扮して合唱する
『鬼と閻魔』も傑作だ。
本当に、唐さんを追いかける自分たちにとって、
安保さんが逝ってしまった喪失感は大きい。
もっともっと色んな話と歌を聴きたかった。
安保さんがいた新宿のナジャに行くと、
酒が得意でない自分のために、安保さんは薄い水割りと
食べる物を作ってくれた。長芋を輪切りにしてバター醤油で炒めたもの、
日本らしくもちもちの麺でつくった特性のナポリタン・・・
今こそああいうものが食べたい。
安保さんはちょっとしたものを仕立てる料理上手でもあった。
トラックバック (0)
- トラックバックURL:
コメントする
(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)