9/23(金)店には決して近づけるな

2022年9月23日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note

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Albanyに通うこと8か月が経とうとしている。

しかし、まだまだ知らないことは多い。

通い慣れた企画ですら、知らない計画が進行中ということもある。

これが日本語でのやりとりならば、注意して聴いていなくても

会話が自然と耳に入ってくる。「何それ?」と会話に割り込み、

情報を得ることができる。しかし、やはり英語は難しい。


そんな状態ではあるが、先日、

シニアたちを連れて都心に出かけると聞いた。

尋ねれば、数ヶ月に一度そういう外出をしているらしい。

連れて行ってよと頼んだら、ウェルカムと言われた。


結果、昨日は学校をサボって都心に出た。

朝10時にヴィクトリア&アルバートミュージアムに集合。

英国の黄金時代を築いた女王と旦那さんが世界から収集した品々を

展示した施設だ。南はアフリカ、東は中国まで、"帝国"という言葉を

強く実感させる展示品の数々。


10時に行ってみるとスタッフが集まっていた。

シニアたちはタクシーでやってくる。

今現在タクシーがどこにいるかはケータイでモニタリングできる。

それを眺めながら、導線を確認する。


このスロープを使おう、とか。

荷物置き場はここで、学芸員に話を聞く場所はここ。

最後に集合して軽食を取る場所はここ、という具合だ。

運営にあたるエンテレキー・アーツの面々は、サンドイッチや

スナック、フルーツを持参している。まことに余念がない。


今日の目当ては、常設展ではなく、

アフリカ・ファッションをテーマにした特別展だ。

コンテンポラリーにアフリカ色を反映したモードを展示していて、

華やかだった。その上で、常設展のアフリカ部門も見てね、

というコンセプトなのだが、今回は時間を限っているために、

シニアたちはひたすら特別展のみを見る。


果たして、タクシーから降り立ったシニアたちは輝いていた。

ルイシャム地区は移民の街。アフリカやカリブからやってきた婦人たち

なので、アフリカ・ファッションを地でいっているのだ。


展示場では一つ一つを食い入るように眺め、記念撮影をしてゆく。

とにかくじっくりと見て、キャーキャー盛り上がっている。

こういう性質の展覧会だから、おそらくファッションを学んでいる

学生たちが大勢来ていて、彼らもなかなかの洒落者揃いだったけど、

恰好も振る舞いも、うちの組は度外れに派手で周囲を圧倒していた。


ツアー開始前のスタッフ会議でお互いに確認しあったのは、

彼らをミュージアムショップに絶対に近づけてはならない、

ということだった。それだけで2時間過ぎてしまう。

そういうわけでショップには目もくれさせず、目的地まで案内した。


一通り終わった後は軽食を取り、迎えに来たタクシーにみんなで

乗り込み、にこやかに帰っていた。なかなかの遠足である。


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