9/28(水)極寒、リバーサイドの野外劇
2022年9月28日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑野外劇のカーテンコール。普段は加害者の側に回る私だが、
やっと終わったと拍手しながらかなり嬉しかった
再来月のパーティーに備えて、シニアたちは二班に分かれて
準備している。美術製作がしたい人たちは、飾り付けの造花を作る。
アーティストによるお手本を参考に量産していく。
もう片方のチームは、出し物の合唱の練習をしている。
『ブルーベリーヒル』『スカボローフェア』
『ワンダフルワールド』に加え、みんなで作詞して先生が曲を
振ったもう一曲をやる。昨日は3つの既存曲の練習。
パート分けしてハモるのだが、自分は高い方に配属されている。
『スカボローフェア』を歌いながら夏に二度行ったエジンバラを
思い出した。電車の窓から見えたスコットランドの海沿いの景色。
夏だけど寒そうだったあの風景が、サイモン&ガーファンクルの
描いた世界だと思う。
『ワンダフルワールド』の2番を歌っていると、自分の子どもが
生まれて2歳くらいまでを思い出す。
それなりに長く生きて来たので、歌詞が沁みるようになった。
その後はデスクワークをして、夜に野外劇を観に行った。
テムズ川沿いのベニューで、ナショナルシアターのバックアップによる
新作劇の発表があった。
18世紀、産業革命前夜に発見された不思議な牡蠣をめぐる
エピソードに、現在のジャーナリストが北極の様子を
ライブストリーミングする話が絡む、というトリッキーな物語だった。
要するに、気候変動と環境破壊を意識して創作されたストーリーだ。
俳優のレベルが高く、スタッフワークも緊密で唸ったが、
野外に必要なワイルドさには乏しかった。
明らかに膨大なコストがかかっている。
舞台は貧乏臭くてはいけないが、
あまりにテクノロジーを駆使しすぎると、
もはや劇場の中でやれば良いのではないかということになる。
そういうステージだった。
それから、昨晩は寒すぎた。
気温は10度だったのである。もっとマックスの厚着で
行けば良かったと後悔しながら観劇し、1時間50分を震えながら観た。
直前に近所のベトナム料理屋で熱々のフォーを食べたのが幸いして、
風邪をひくことはなさそうだ。一方で、隣の席に座ったおじさんは、
なぜかハーフパンツに半袖Tシャツにも関わらず余裕そうだった。
英国ではこういう人をよく見かける。
極寒なのに半袖短パン、バーの屋外席でギンギンに冷えた
ビールジョッキをあおっていたりする。
多様性という言葉を実感する。彼らは同じ人間に違いないが、
同じ人間には思えない。体感温度にも、かなり個人差があるらしい。
役者は役によって露出度高めだったり、
ずっと倒れている役の人もいて心配になってしまった。
かつて、極寒の中で自分が公演してきた様々な作品を思い出した。
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