9/6(火)ロンドンの野外劇場

2022年9月 6日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
IMG_4014.jpg
↑開演前のリージェントパーク・オープン・エア・シアター

昨日はリージェント・パークというところで野外劇を観た。
演目は『アンティゴネー』。ソフォクレスの原作を
Albanyでポエトリーの催しをしていたイヌラ・エラムスが
翻案したものだ。

彼は移民の問題を背負いつつ、優しい語り口の詩や台本で
ファンを得ている。ナショナル・シアターで2018年に上演した
『バーバーショップ・クロニクルズ』が代表作、
日本語にすると『床屋年代記』、魅力的なタイトルだ。

同じ日に、各国の床屋で起こる小さな事件を集積させることで
この台本は成り立っている。上手いアイディアだと思う。
かつて巨大な帝国を築き、今は移民の街となったロンドンの劇だ。

今回はギリシャ悲劇が原作だけれど、
彼はこれを家族からテロリストを輩出したムスリム家庭の葛藤に
読み替えていた。

反社会性力の最たる者として扱われるテロリストの死を
その妹であるアンティゴーは弔うことができるのか、という問い。
ソフォクレスの原作では国王だったクレオンは首相という
立場になっている。

この公演に興味を持ったダイアンが、
自分の障害者手帳を利用して格安の良席を手に入れてくれて
贅沢な環境で環境で観ることができたし、天気も持ち堪えた。

『アンティゴネー』野外劇といえば、
去年のゴールデンウィークにSPACによる上演を観た。
会場は駿府城公園だった。

こういう観劇を重ねていると野外劇場とギリシャ劇への思いが募る。

小さい頃にアニメ『聖闘士星矢』を見て以来、
ギリシャは憧れの地なのだ。小学校の頃に、
名古屋の科学館に通って星座に関わる神話をたくさん聞きもした。

ギリシャといえば、私にはなんと言っても
蜷川さんのプロデューサーだった中根公夫(ただお)さんだ。

1960年代にパリに留学し、
夏はいつもギリシャに行っていたという中根さんの話を思い出す。
日本人でもっとも沢山のギリシャ悲劇を観た中根さんは
それから20年後に蜷川さんを擁してギリシャに乗り込んだ。
『王女メディア』に出演していた金田龍之介さんのエッセイに、
現場の様子が臨場感をもって描かれている。

今は神奈川芸術劇場の館長である眞野(純)さんも、
2004年に野村萬斎さんがオイディプスを演じた公演で
古代劇場を体験ずみだ。うらやましい。

リージェントパークでさまざまなことを思い出した。
ウェールズにはミナック・シアターという海辺の岩場を利用した
素晴らしい野外劇場があるという。ここにも行ってみたい。

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)