4/6(水)I am a black woman.
2022年4月 6日 Posted in 2022イギリス戦記 Posted in 中野note
↑近所のFordham Parkに石碑があって、お供え物が動物たちに食べられて
いた。リスやキツネを毎日見かける。
昨日"宗教"について触れたので、今日は"人種"だ。
日本にいた時、こういう話題をどうして良いのか分からなかった。
一昨日、ロイヤル・コート・シアターで渡英後50本目の劇を観たが、
これが"黒人"についての芝居だった。1ヶ月くらい前、
ブッシュ・シアターで観た劇も黒人のサッカー少年3人のみの劇だった。
それに、最近はAlbanyとの関わりの中で調べ物をしている。
1981年1月に起きた「New Cross House Fire」という事件についてだ。
これにも人種の問題が深く絡んでいる。
Albanyから歩いて10-15分ほどのところで起きた出来事。
10代後半の黒人青年たち13人がホームパーティー中の火事で亡くなり、
これがきっかけで、大規模な人種差別撤廃運動が起こった。
警察当局の事件の処理の仕方に疑義が寄せられたためだ。
異人種が起こした放火や事故だったのではないか。
その上で、黒人の青年たちが自らの過失にされてしまったのではないか。
そういった疑問に対して、公式な見解は現在に至るまで、
当事者たちの過失で済まされている。真偽はわからない。
が、これが運動につながり、現在の社会を生みだす
大きなきっかけとなったのは確かだ。
この国が多様性を重視するきっかけとなった事件がここLeshamの
一画で起こった。それで、モニュメントや事件現場だった場所を
見て回っている。
日本にいる時、黒人の人を見ると正直ギョッとした。
慣れないし、たまにしか見ないから怖いし、驚いた。
知人が一人もいないので、距離感がわからなかった。
ところが、こちらに来て激変した。
まず、ミミのおかげ。それからチーフプロデューサのヴィッキーや、
技術スタッフの頼れる男ケイトリンもいる。
黒人の人といることがすっかり当たり前になった。
全体的な感想としては、体のバネやリズム感がすごい。
クラブイベントでちょっと体をゆすっているだけの姿を見て
「ほお〜」と見惚れてしまう。サマになっているし、
それくらい違いを感じる。
ただしミミは例外で、彼女は身体能力!というより知的で
いかにも育ちが良さそう。当たり前だけれど、人によって違う。
先日、シンポジウムで登壇したミミは、自己紹介で「I am a black woman.」と
言っていた。あ、こんな風に挨拶の中に人種の説明が自然に混ざるんだ!と、
ひとつ心がほどけた。ロイヤル・コートの劇の2回目はミミと行く予定。
黒人としての彼女がどう思うか、教えてもらいたい。
こうやって、信頼関係をもとにした一つ一つのやりとりの中で、
適切な距離感やエチケットを覚えている。
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