『少女仮面』と『続ジョン・シルバー』

2019年11月 1日 Posted in 中野note
今朝早くに、豊橋の知り合いから問い合わせがありました。
彼女は尊敬する先輩演劇人なのですが、
年明け、世田谷で上演される『少女仮面』に向けて予習がしたい、
ついては本を貸してもらえないか、という連絡でした。
きっとこの「ゼミログ」は読んでいないはずなので、偶然と言えば偶然。
早速、早川書房の新刊本をおすすめしました。

私たちの劇団は、唐さんのことに関しては結構な資料持ちで、
これまで自分たちで一生懸命に集めてきたものもありますが、
それ以上に、昔からのファンの方々が、
「中野君たちが持っていると良いだろうから・・・」
と言って渡してくださったものをたくさん保管しています。
昔のチラシやポスター、チケット、唐さんの公演に際して劇団から送られてきたハガキ、
そういった珍しいものもあります。

いつか、何の気なしに紅テントを観に行った折、
花園神社の近くのコンビニで資料を手渡されたこともあります。
自分の観劇日など誰にもわからないはずなので、
ずっと渡そうと持っていてくださったのか、
一層ありがたく感じました。

「唐ゼミ☆」ですからね。
もともとは唐さんのもとに集まったゼミナール生の劇団でしたが、
現在は、唐さんについて探求し尽くすゼミだとも思っています。

例えば、この前に公演した『続ジョン・シルバー』ですが、
あれは『ジョン・シルバー』シリーズの中間部、楽しく観られるコメディ・パートであると同時に、
『少女仮面』の原型であるとも考えています。

喫茶店「ヴェロニカ」と「肉体」、
そこでやってくる少女「田口みのみ」と「貝」、
「小春」と「ボーイ」、「春日野」と「ボーイ主任」の夫婦関係は、
いずれも屈折に満ちて歪みに歪みながら共依存の極地です。
同じ作者が同時期に書いているので当然といえば当然ですが、
そこは「唐ゼミ☆」ですから、そういう発見が嬉しいのです。

『続ジョン〜』に、鈴木忠志さんと白石加代子さんが喫茶店の二階にある早稲田小劇場で、
深夜に稽古している光景を加えると、『少女仮面』が見えてきます。


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写真は、私たちの『続ジョン・シルバー』から、熊野の「ボーイ」と津内口の「みのみ」です。


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