『少女仮面』に話を戻そう。

2019年11月 9日 Posted in 中野note
脱線が過ぎました。

そろそろ『少女仮面』を終えて別の話題に振りたいと思いますが、
なんというか、唐さんのこととなると、話題が尽きないですね。

この「脱線が過ぎる」というキーワードで数々の例を挙げながら、
私は一週間以上保たせられる自信があります。
それはもう、唐さんの芝居は延々脱線しますからね。

この間、私たちが上演したばかりの『あれからのジョン・シルバー』1幕でも、
白スーツの悪役「闇屋」が、主人公たちとの対決の最中、突如として、
自分が間違えて女性専用列車に乗ってしまった時の周囲の白い目と、
それに対する恨みつらみを述べ立てるくだりがあります。
そこで生まれた負のエネルギーを糧にして、闇屋は主人公たちにますます立ちはだかる。
明らかな八つ当たりです。

あんなの、明らかに唐さん個人か、あるいは当時出演していた誰かの実体験をまくし立てたもので、
芝居本編の進行に関わりが無いことは明白ですが、
あの脱線をスピンオフとして愉しみ、
一方で肝心の筋も忘れずに軌道修正するというのを、
私は唐さんとのお付き合いの中で身に付けました。

まあ、先ほどの例はまだまだ可愛いもので、
筋と関係ない話題に台本にして10ページ以上をかけたり、
エンディングでもまったく回収されないエピソードが、
唐さんが生み出した数々の作品には溢れています。
こういう場合、私も目的地を忘れて道草したまま帰って来られない時もありますが、
それはそれで、ひとつの豊かな体験でしょう。

............。
ああ、今日もまた戻って来られなかった......
『少女仮面』、次回で一旦締めます!


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