4/10(土)誰かが割りを食っている
2021年4月11日 Posted in 中野note
↑1981年2月初演、『下谷万年町物語』冒頭の唐さん。
1973年5月の『盲導犬』でも、似たようなことがあったに違いない。
出演していた話をしました。例の、立ち上がってト書きを読む男の話。
状況劇場の『ベンガルの虎 白骨街道魔伝』の本番中でありながら
これに通いすぎてしまったために、自身の劇団員から怒られてしまった
という唐さん。
しかし、一方で気になるのは、
よく考えてみれば、いかに出演する気マンマンの唐さんとはいえ、
すべての公演日程に立ち会うことは出来なかったであろうということです。
果たして、その日は誰がこの役を担ったのか。気になります。
ここから先は私の推測です。
・・・ひょっとして、蜷川さんがやったかもしれない。
当時の蜷川さんはレッキとした俳優ですから、
それは全然おかしなことではありません。
実際には、誰なんだろう?
そして、そんな風にスタンドインがいるとすれば、
さらに想像できるのは、その人が出番を待ち構えているところに
やおら唐さんがやってきて、その出番を奪ったであろうということです。
実際、私が『盲導犬』初演時の本番についてそんな風に想像を
たくましくするのには理由がある。
唐十郎×蜷川幸雄の第三作にあたる『下谷万年町物語』の初演時に、
そんなことが炸裂していたらしいのです。
つまり、冒頭と最後にだけ登場する「大人の文ちゃん」役。
まさに唐さん本人と言って過言でない、
ほとんどモノローグで構成されるこの役柄は、
初演の時にトリプルキャストが組まれていた。
必然、この日のこの回は〇〇さんの出演、という風に決まっていたわけですが、
にも関わらず、唐さんは他の人の担当回に乗り込んでは、
美味しいところをさらうこと、度々だったらしいのです。
(実際の被害者は、小林勝也さんと鵜沢秀行さん)
そのようなわけで、『盲導犬』でも、
必ずやそんなことがあったに違いないと私は考えます。
唐さんが登場すれば、お客さんも大いに盛り上がったでしょうが、
きっと、誰かが割りを食っていたはずです。
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