1/6(月)『御注意あそばせ』本読みWS 第6回
↑火を消した時に煙がたち、覗き窓から赤熱も見える
こういったストーブが実に巧みに使われています
昨晩は年始1回目のオンライン本読みでした。
年をまたいで、『御注意あそばせ』という知られざる作品に取り組む
私たち。翌月曜日から始業!という方も多いなか、皆さんにご参加
頂きました。
昨日の主眼は、トランプによる賭けゲーム「ファラオン」を
通して現れる、主人公「僕」と「奈美さん」の対話です。
プーシキン『スペードの女王』にちなむ3番勝負を重ねるうちに
かつて「佐川くん」と「奈美さん」がパリの「トロワバレ」にて
行った「ファラオン」の再現となり、特に2番目の勝負では
「奈美さん」の可愛がっていた猫が賭けの対象となり、
これに勝利した「佐川くん」はあやうくその猫を池に沈めようと
します。「佐川くん」という人格の一徹すぎるところ、
思い込みの強さ、相手を組み敷こうとする嗜虐性、
猟奇性があらわれ、その恐ろしさがトランプを挟んだ会話劇に
より充満します。
4人の客、「トロワバレ」の店員「由美」が行き来し、
オカマの「キヨ」と、その正体を突き止めるためにキヨの妹らしき
「竹子」まで動員した「看守」が傾れ込むシーンになると、
それはホッとする笑いにもなりますが、基本的には集中度の高い、
目が離さないやり取りの応酬になりました。
暗いお店にあるストーブの火が、感興を高めるために大きな
演出効果を果たしています。
そして物語は、「佐川くんvs奈美さん」の3番勝負から、
いよいよ「奈美さんvs僕」の闘いの入り口に立ったところで
昨日は21:30を迎えました。
「K.オハラ=奈美さん」の正体を追い、突き止めようとする
「僕」と、決して尻尾を掴ませず、正体を見極めさせず、
「謎の女」でありつづけたまま消えてゆこうとする「奈美さん」
の勝負です。
次週は『唐版 風の又三郎』WS開催によりお休みにして、
1/19(日)26(日)で『御注意あそばせ』を完結します。
2月からは『ジャガーの眼』。盛りだくさんで飛ばしていきます。
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