1/6(月)『御注意あそばせ』本読みWS 第6回

2025年1月 6日 Posted in 中野note

01281689.jpg

↑火を消した時に煙がたち、覗き窓から赤熱も見える

こういったストーブが実に巧みに使われています



昨晩は年始1回目のオンライン本読みでした。

年をまたいで、『御注意あそばせ』という知られざる作品に取り組む

私たち。翌月曜日から始業!という方も多いなか、皆さんにご参加

頂きました。


昨日の主眼は、トランプによる賭けゲーム「ファラオン」を

通して現れる、主人公「僕」と「奈美さん」の対話です。

プーシキン『スペードの女王』にちなむ3番勝負を重ねるうちに

かつて「佐川くん」と「奈美さん」がパリの「トロワバレ」にて

行った「ファラオン」の再現となり、特に2番目の勝負では

「奈美さん」の可愛がっていた猫が賭けの対象となり、

これに勝利した「佐川くん」はあやうくその猫を池に沈めようと

します。「佐川くん」という人格の一徹すぎるところ、

思い込みの強さ、相手を組み敷こうとする嗜虐性、

猟奇性があらわれ、その恐ろしさがトランプを挟んだ会話劇に

より充満します。


4人の客、「トロワバレ」の店員「由美」が行き来し、

オカマの「キヨ」と、その正体を突き止めるためにキヨの妹らしき

「竹子」まで動員した「看守」が傾れ込むシーンになると、

それはホッとする笑いにもなりますが、基本的には集中度の高い、

目が離さないやり取りの応酬になりました。


暗いお店にあるストーブの火が、感興を高めるために大きな

演出効果を果たしています。


そして物語は、「佐川くんvs奈美さん」の3番勝負から、

いよいよ「奈美さんvs僕」の闘いの入り口に立ったところで

昨日は21:30を迎えました。


「K.オハラ=奈美さん」の正体を追い、突き止めようとする

「僕」と、決して尻尾を掴ませず、正体を見極めさせず、

「謎の女」でありつづけたまま消えてゆこうとする「奈美さん」

の勝負です。


次週は『唐版 風の又三郎』WS開催によりお休みにして、

1/19(日)26(日)で『御注意あそばせ』を完結します。


2月からは『ジャガーの眼』。盛りだくさんで飛ばしていきます。


トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)