5/23(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS第4回レポート(中野)

2022年5月23日 Posted in 中野WS『蛇姫様 わが心の奈蛇』 Posted in 中野WS『蛇姫様 わが心の奈蛇』

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2010年初夏 唐ゼミ☆『蛇姫様 わが心の奈蛇』より1幕の終わり

(写真:伏見行介)


昨日は本読みワークショップ。

皆さんと一緒に『蛇姫様 わが心の奈蛇』を追いかけています。


前回、主人公の小林青年がヒロインあけびに惚れ込む場面を

やりました。まむしの毒におかされた弟分タチションを危険を

顧みずに救うあけびに、小林は惚れ込む。


一方、自分の右腕にある大アザを気にしていたあけびも、

それをステキだと誉めちぎる小林に絆されます。

ステキな蛇のウロコのようだと絶賛する小林のコメントが

ヒントになり、二人の蛇姫様ごっこが始まる。


少年探偵団のリーダーを自認する小林は、

あけびが母より聞かされた「白菊谷」を目指す冒険に惹かれます。

母の日記に書かれていた「はんにゃか ほんにゃか」という記述を

ヒントに、二人は共通の目的地を見出します。

「はんにゃか ほんにゃか」とは、要するに読み解けない文字である

ということ。これが終幕に向かう伏線として後半に生きてきます。


小児病的な世界が本作は面白い。

スリ崩れの二人、小林はあけびを「姫」と呼び、

あけびはすっかりその気になって自分を「わらわ」と言う。

時代劇を真似して遊ぶ言葉づかいが楽しい。


と、薮野文化が乱入します。劇冒頭に行われていた葬式の後、

亡き兄を火葬にしようとするのを押し留め、水葬にすると言い張る。

これは、彼らの出自に原因があり、朝鮮半島から日本に渡った文化の、

故郷に向かう海に兄を帰したいという思いは切実です。


さらにそこへ、伝次が帰ってくる。

しかも、あけびを母の名である「シノさん」と呼び、

この伝次こそ、母の日記を頼りにあけびが探してきた男だと分かる。

若き日、あけびの母であるシノとともに死体輸送船「白菊丸」に乗り、

半島から日本に渡った密航者だということも明らかになる。


母が語った「白菊谷」が、死体輸送船の名に由来すると知った

あけびは、持病の癲癇(てんかん)の発作を起こします。

舌を噛まぬようスプーンを咥えるあけびに、

小林は「姫!」と叫び続けます。

これで1幕が終了


変わって2幕。銭湯の跡地にあった藪野家の床屋は様変わりし、

今はスリ集団・権八一家の経営するバー箱師になっている。

「箱師」、つまり電車など乗り物専用のスリの名を冠するだけあり、

ここはお客から財布を摺ることで儲けを得る飲み屋。


なぜか、1幕で権八一家にヤキを入れられたタチションは

この店に入店し、一家の中でのし上がろうとしています。

あるいは、小林があけびに執心するのが、寂しいのかもしれない。


一家が営業&スリの稽古に明け暮れていると、

土地を乗っ取られた薮野一家が抗議に現れます。

しかし多勢に無勢、権八たちの勢いに押された薮野文化は

1幕終わりに登場した伝次を呼び出します。腕っぷしの強そうな伝次。

果たして彼は、薮野一家の加勢に現れるのか。


続きはまた来週!


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