6/27(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS 9回レポート(中野)

2022年6月27日 Posted in 中野WS『蛇姫様 わが心の奈蛇』 Posted in 中野WS『蛇姫様 わが心の奈蛇』
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↑3幕より権八一家 散開の危機。普通、スリはこんなに派手ではない。
(撮影:伏見行介)

昨日はワークショップでした。取り組んだのは3幕序盤。
『下谷万年町物語』を観劇して興味を持ったという方の初参加もあり、
これまで参加してくださってきた方にとっても確認になるよう
工夫しながら、劇のこれまでを復習しながら先に進みました。

3幕。
2幕の終わりでケンカ別れしてしまった小林とあけびが気になる一方、
敵役たちも新たな展開を見せています。

伝次に、物語の発端となった九州・小倉のキャンプ・ジョーノ(城野)
からバザー(フェスのようなものか?)への招待状が届き、
彼はかつていた土地に錦を飾ろうとしています。
が、薮野一家の跡取りである薮野文化にはこれが届かず、
文化は伝次への嫉妬の塊になっている。

伝次は、薮野一家の惣領で今は亡くなった「大きい兄ちゃん」が
化身した蛇とともに帰ると宣言します。蛇と伝次、二人の父が帰るのだと、
菊池寛の『父帰る』に引っ掛けて強弁します。
なぜ、蛇と伝次がともに父なのか、終盤に向けて謎めく。

また、同じく薮野一家の妹である知恵と内縁の夫の揉め事も
挿入されます。これまで黙って薮野一家に居候してきた内縁も
さすがに慄き、この家を逃げ出そうとしたところ、知恵に追いかけ
回され、得意の憑依体質によって歴史上の美人を抱けるとアピール
されるものの、結果的に再びシノとあけび出生の悪夢が甦り、
内縁の恐怖はピークに達する。再び逃げ出す内縁。

とそこへ、権八一家がやって来ました。
バスケット姉妹の姉をリーダーとする女たち、
若衆の格好をした青年のスリたちも、皆が皆、親分の権八(=伝次)が
東京から去ってしまうことに不安を感じています。

初めは親分を引き留める彼らでしたが、
伝次はスリとしての自立を促し、自分の体から最も伝治の核心となる
ものをスった者を後継者にすると宣言します。

そこで、皆が伝次の体に突進するわけですが、
残念ながら部下たちは伝治の核心を突くことができない。
むしろ、パッと飛び込んできたタチションが「何もスっていない」
と答えたことで、虚無を中心に抱える伝治の本質を捉えてしまいます。

結果、タチションがBarハコ師の権利書を手に入れることに。
しかし、これまで伝次に尽くしてきた部下たちにとっては、
この結果は到底納得できないものでした。敢然と伝治に立ち向かう
部下たち。一家が揉み合いながら舞台から姿を消したところで、
主人公たちのストーリーが再開します。

小林とあけびの再開。次週につづく。

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