7/18(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS 第12回レポート(中野)
↑兄貴と慕う小林と泣く泣く闘うタチション(左:重村大介)
今は唐組で頑張っている重村の当たり役のひとつだった。
『海の牙 黒髪海峡篇』の番頭、『ジョン・シルバー』の小男も良かった。
(撮影:伏見行介)
昨日は3幕の中盤から終盤に差しかかるところをやりました。
これまでの登場人物が集まり、舞台上がどんどん賑やかになります。
帰化にあたり、あけびの母親役を担うのは、薮野一家か小林か、
これをめぐって敵役が増えていく。
まずは、小林VS薮野文化+青色申告
敵役たちは腕力に任せて余裕を見せます。
青色申告が擬音で迫るところがおもしろい。
無意味、ナンセンス、こういうところに唐さんの筆が冴え渡る。
さらに、権八(伝治)一家が入ってくる。
伝治に歯向かうも、あっという間にヤキを入れられ、
指を詰められた姉妹が猛省しています。
他方、言葉巧みな伝治の上をいくタチションの口八丁が炸裂し、
改めて、後継ぎはタチションでいこうとまとまる。
あけびは、どちらのハンコで帰化しようか迷います。
気持ちとしては小林でいきたい。しかし、彼のハンコを押すためには
小林の腕を傷つけなければならない。そのことに気後れする。
そうこうする間に、伝治にけしかけられたタチションと小林の
対決が始まる。不本意だったタチションも、あけびの方ばかり向く
小林に渡されたパン切り包丁を向けます。
兄貴分である小林のため、伝治の跡継ぎになって店の権利書を
手に入れ、それを小林にプレゼントしようと思っているのに、
当の兄貴はあけびに首ったけで全然こちらを相手にしてくれない。
その不満が、タチションを小林との対決に向かわせます。
が、そのさ中にタチションが放った「転換」という言葉が
偶然にも、小林を傷つけまいとするあけびの躊躇を振り払います。
転換=テンカン=癲癇と聞こえたあけびは、
思わず小林の腕を傷つけてしまう。結果的に、帰化の申請書類は
小林の捺印でまとまり、伝治一家・薮野たちは敗北します。
そして、更なる攻勢をかけろと命じる伝治を、タチションが裏切る。
自分の初回の攻撃に傷ついた小林の姿を見たタチションは
やはり兄貴についていこうと思い直します。
これで、小林とタチションの同士討ちは終わります。
次回は、あけびと伝治の頂上決戦に進みます。
姫であるあけびが、暗黒の父親に挑むという格好です。
激しく悲痛で、バカバカしい闘いが巻き起こります。
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