3/5(土)劇中歌WSレポート

2022年3月 6日 Posted in 劇中歌ワークショップ Posted in 劇中歌ワークショップ
3月に入り、劇中歌WSは「下谷万年町物語」へ!!

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(左:表紙は唐さんが描いた絵。 右:唐ゼミの下谷万年町物語、再演のDVD)

唐ゼミ☆の初演、再演には間に合わず、私が初めてこの作品を観たのは、2012年。(十年前!!)
しかも、初めての唐十郎作品がこの「下谷万年町物語」。

それはそれは衝撃でした。
色合いといい、ヒロインの魅力の溢れ方といい、聞いたことのない言葉のやりとり。。。
なんだこれは状態でした。

というわけで、今回はWSをきっかけに、私自身もしっかりと物語に取り組もう
と思っております。

今回取り上げる一曲目。

<唐ゼミ☆ 「下谷万年町物語」映像>
この映像の中で歌われているこの歌。

♪なんかすっぱい 匂いがします
夜中に吐いたものかしら
それとも 錆びた体の匂いか
抱いてくれてもごまかせぬ
やさしくされても 笑ってやれぬ
枕にしみた おまけの匂い

ヒロインのキティ瓢田が一幕の終わりで、洋一に池から拾い上げられ
印象的な登場をします。そこで名を名乗り、暗転!
そして次は、もう第二幕。
幕があくと、長屋で寝ていたその女が身体を起こし、歌い出すのがこの歌。

つまり、観客はこの女が何者かもわからぬ状態でこの歌を聴くのです。
でもなんとなく、この女の過去が後ろ暗そうな感じが漂う...。
ということで、キティ瓢田がこの歌を歌うに至ったであろう過去が取り上げられているせりふや、
彼女の独白の場面をピックアップしてみました。

例えば二幕。
池に沈んでいたキティが、そこで見た夢の話をする場面。

どうしてこんなところに来ているのか。
一体どんな演出家がおまえにここに飛びこめっていったか。
そこであたしは泣いたんだ。
暗い水底を見つめても、そうして、あたしを抱きとめてくれる筈の演出家は
水だけで、それがユラユラ眠っていろと言うばかり。
でもそんな眠りの中で、あたしは、知らない町に立っているあたしを夢見た。

自分を錆びた、と歌ってしまうキティがこういうせりふからも伺えます。
と同時に、ここから抜け出したいという気持ちも伝わってくる。
惜しみ隠さず辛い、苦しい、私もうダメだ。。。と感情を表現する。
かと思いきや、えいや!と自分を奮い立たせて戻ってくる。

この後もそういった場面がたくさんやってきます。
そういったキティ瓢田の変化をこの歌とともに読み進めていきたいとおもいます!

次回は3/19です!
読み応えのあるせりふがもりだくさん。
初めての方も、ぜひ!










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