4/11(月)『下谷万年町物語』本読みWS第10回レポート(中野)

2022年4月11日 Posted in 中野WS『下谷万年町物語』
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↑偉い人、恐ろしい人が現れると皆がどう振る舞うのか。
台本を汲み取ったら、自分の経験を総動員して舞台を思い描きます。
(唐ゼミ☆2010年秋公演『下谷万年町物語』 撮影:伏見行介)

ついにお市が登場したところからWSをスタート。
三幕も半ばを過ぎたところで、万年町オカマ軍団の大ボスが現れる。
まずせりふが劇場内に響き、長屋のセットの2階から御輿に乗って
ステージに降り立つ。完全に歌舞伎の世界です。

ここからは、実にヤクザ者の脅しやなだめすかしの世界で、
表向き自制を効かせているお市の中に煮えだぎる怒りを軸に、
オカマ軍団もまた恐々としながら、軽喜座を追い込んでいきます。

以前のNo.2でありながら、お市にいびり倒されるお春。
お春にとって変わったばかりの蘭子は、常にお市の顔色を伺いながら
忖度を働かせ、周囲に辛くあたります。
小野村というオカマは、ちょっと楽屋落ち的な存在で楽しませてくれる。

初演でお市を演じて満座を湧かせた塩島昭彦にまつわるエピソードや
美術家の朝倉摂さんと桑沢デザイン研究所の関わりに至るまで、
丁寧に説明しながら、囚われの洋一が現れ、そこにお瓢が文ちゃんを
連れて乗り込んでくるところまでをやりました。

権力者が君臨するときの集団はどう動くのか、
これは作品読解というより、それに取り組む人の人間感や世界観を
問われるところですが、まずは自分のアイディアを例として示し、
あとは皆さんに考えてもらえたらと思います。

お瓢がわざわざ破れ鏡から登場する意味や、
手前で展開した金杉病院のシーンとの時間軸的な整理も行い、
お市に挑むお瓢が軌道にのったとこで第10回はおしまい。

あと2回で『下谷万年町物語』を終える前段を整えました。
4月いっぱいでこれを終えたら、5月から『蛇姫様 わが心の奈蛇』に
入ります。目下研究中の『黒いチューリップ』もいずれやってみたい。

『下谷万年町物語』を理解すれば、『黒いチューリップ』も必ず
面白くなるはずです。やるとすれば秋以降。
また考えて発表します!

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