2/22(水)『秘密の花園』本読みWS 第7回レポート その②(中野)

2023年2月22日 Posted in 中野WS『秘密の花園』
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そもそも、いちよは、かじかの49段式自転車の車輪に指を突っ込んで、
切断したことになっています。が、薬指のみを車輪で切断するのは至難の業!
という指摘が参加者の一人から寄せられました。
こういう発想が好きです。いちよの行動をまともに受け取って、
どうやったら薬指のみ切断が可能か考えるのは、痛々しくも愉しいものです。
こんな具合かな? と、自分の短い指で試してみました。



昨日のレポートの続きです。

いちよとアキヨシがプラトニックかつ濃厚に絡み合い、
すっかり高まったところに殴り込んでくる男がいます。かじかです。

いちよが指ごと切断して指輪を返し、かじかのもとを去って以来、
彼はその指と暮らしてきました。そうして自らの不幸を味わい尽くすのが
かじかの流儀らしいのですが、当然ながら、そのような夫婦生活に
甘んじているのに耐えかね、いちよ本体を取り返しに来たのです。

そうして医者を紹介する。
かなり怪しげな医者ですが、要するに、指が切断された根っこと
指自体に、切れた事実を誤魔化せば、時間が経っているにも関わらず
指はくっつくと力説します。またも、そんなわけあるか!という設定ですが、
こういう理不尽こそ唐さんの得意手です。

指の切断を深刻に見せたり、芝居だからとギャグにしたりと、
忙しく観客を振り回す。それに付き合って振り回されるのが、
観劇の醍醐味といえます。

また、この医者の場面は改訂版で大いに書き換えられた箇所でもあります。
どこがどう変わったのか。後日、重点的に検証します。3/13(月)のWSで!

かじかが出てくると舞台は騒がしくなり、
いちよとアキヨシの場面から一気に空気が変わります。
そこへ、殿も殴り込んでくる。八代亜紀が1980年に発表したヒットソング
『雨の慕情』が鳴り響き、洪水が力を増していく場面です。
https://m.youtube.com/watch?v=HTeJHMWeKL4&t=1s&pp=2AEBkAI

洪水の波間に浮いていたジローの母親、千賀が殿の巧みな
ロープ使いで引き上げられ、荒事の予感。
ここから殿とかじかの絡みの面白さは最高潮に達しますが、
それはまた来週。

"生涯天冲殺"とか、面白いせりふがいっぱい出てきます。

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