5/8(月)『二都物語』本読みWS 第1回レポート その①(中野)

2023年5月 8日 Posted in 中野WS『二都物語』
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↑『状況劇場劇中歌集』
冒頭に出てくる ♪氷の洞窟で〜 という劇中歌はこのCDに入っています
他にも、『二都物語』主題歌ともいえる『ジャスミンの唄』も収録


ついに始まりました!
『二都物語』の本読みWSです。昨日は恒例の序論から。
特に前半は、唐さんが『二都物語』を執筆して初演した当時の
状況について話すところからスタートしました。

その際、説明をしながら再認識したのは、
伝説的な部分の多い初期状況劇場の活動の中でも、
特にこの『二都物語』はレジェンドだということです。

例えば、

・唐十郎が状況劇場劇団員4人を連れて戒厳令下のソウルに渡り、
現地でこれを上演した。
・上野不忍池での公演では、冒頭シーンにおいて大久保鷹が
机を背負って池を泳ぎながら登場し、観客の度肝を抜いた
・ソウルと東京という二つの都を股にかけたこの作品こそ、
看板女優の李礼仙がもっとも輝いた芝居である

と、こんな具合いです。とにかく逸話が尽きない。

ここで時系列的にお話しすると、
1971年春に上演した『吸血姫』こそは、1963年の創立以来、
台頭してきた初期状況劇場の集大成といえる作品でした。
麿赤児、李礼仙、大久保鷹、四谷シモン、不破万作、根津甚八が
揃い踏みして活躍した劇です。

その後に書いて秋に上演した『あれからのジョン・シルバー』は
『ジョン・シルバー』シリーズの完結篇として初めて観る者には
前提条件が多過ぎ、またせりふが爛熟し過ぎて難解になり、
お客も不入り、平たく言えば失敗作であったようです。
(だから唐ゼミ☆ではサルベージを狙うべく連作上演しました)

そして、1971年終わりに麿さんが劇団を去り、シモンさんが
人形作りを専らとしていく。唐さんの落胆が激しかったのは
言うまでもありませんが、共同通信の記者の誘いでソウルを
訪ねたことが起死回生のきっかけになったと、李さんのエッセイで
読んだことがあります。戦後の東京にも似たソウルの雰囲気を
目の当たりにした唐さんは活性化し、『二都物語』に着手。
李さんというプリマを全開に押し出して難局を乗り切り、
ここから『ベンガルの虎』『唐版 風の又三郎』へと続く
黄金の3年間の端緒を切り開きます。

紅テントにお客がほんとうに押し寄せたのもここからといいます。

・・・とずいぶん景気の良い話が続きますが、
要はこれら伝説的エピソードによるヴェールを1枚1枚はがし、
この『二都物語』の真価を見極めようというのが、
これから2ヶ月強かけて行うこの本読みWSの主眼です。

ほんとうにはどんな物語で、唐さんは何を訴えようとしたのか。
まっさらな目で読んでいきます。すると、数々の伝説による魅力
とは違う、別の愉しみが、『二都物語』の芯から溢れてくる。
そういう風にしたいのです。

唐ゼミ☆ではまだ上演したことの無い作品です。
だからこそ、上演の可能性を探るために私も必死です。
『二都物語』の真の姿を、これから見極めましょう。

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