12/10(火)『御注意あそばせ』本読みWS 第2回 その①
2024年12月10日 Posted in 中野WS『御注意あそばせ』
↑ネット上で初めて仮チラシの画像を見つけました。この公演は、
『御注意あそばせ』の「キヨちゃん」造形にかなり大きく影響したと
考えています
通常だったら日曜日の開催ですが、一昨日に唐さんの会があったので、
月曜に振り替えたのです。月曜からお付き合い頂き、皆さんに感謝。
来られなかった方々のために、レポートはストーリー重視でやります。
本読み第2回ですから劇はまだ序盤です。
大きく三つのパートをやりました。
①「僕」とキヨちゃんの会話
②「僕」とK.オハラ(幻視のようでもある)との会話
③「僕」と看守の会話
順番にいきましょう。
①「僕」とキヨちゃんの会話
前提条件として、「僕」は何か因縁のある病院にアプローチしようと
しています。どうもここに佐川一政さんがいて、何らかコンタクトの
手段を探っている。そういう趣きです。
「僕」は病院近辺のアパートを偵察場所として探っていたところ、
そこに住むオカマのキヨちゃんと親しくなり、それでこの部屋に
潜り込んでいる、というわけです。
上記の設定からもわかるように、見ず知らずだった「僕」の潜入を
許すわけですから、キヨちゃんは相当に懐が深い人物です。
また、それだけ簡単に他人を受け入れる、どこか寂しい人物でも
あるように見受けます。
昨日に読んだ箇所では、キヨちゃんがこれまでの苦労を語る箇所が
ありました。オカマ商売の中で、警官から逃走中の泥棒に人質に
とられたり、妻や子どもに虐げられた中年男の出奔先になって
家族に責められたり。このような目に遭いながら、キヨちゃんは
迷惑がるどころか、警官・泥棒・中年男に構ってもらえたことを
よろこぶ風なのです。彼らを優しい、とも言います。
このような性向から、キヨちゃんがいかに虐げられてきた人間で
あるかが伺えます。人に邪険にされすぎたせいで、ちょっとしたことにも
優しさを発見してしまう。言わば自己防衛の一種で人を良い人にして
しまう。それがキヨちゃんなのです。
オカマが群れなす下谷万年町で育った唐さんならではのキャラクター
と言えます。自分にはどうも、このキヨちゃんというキャラクター
には、1981年初演の『下谷万年町物語』で「お春」を演じた
大門五郎さんや、「お市」を演じた塩島昭彦さんが影響しているのでは
ないかと思います。要するに、見た目はゴツいけど優しい方が、
人情も悲哀もよくかもしだされるのです。
・・・①だけで長くなってしまったので、続きは明日。
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