12/16(月)『御注意あそばせ』本読みWS 第4回 その①
2024年12月23日 Posted in 中野WS『御注意あそばせ』
↑オハラのものとも自分のものともつかぬカカトの皮を、溶き卵に
からめて食べてしまう「僕」。唐さんなりの、小さなカニバリズムです
年末で皆さんお忙しいためか、少人数でしたが、
その分、落ち着いて皆さんのお話を聞いたり、余談もまじえながら
『御注意あそばせ』が進行していきます。
まずは、前回のおさらいから。
主人公の「僕」はキヨちゃんのアパートに転がり込みながら、
隣にある病院にいる「佐川君」に会いたがっています。
しかし、手紙を託した病院の「看守」が持って帰った佐川君の返事は
「自分に会いたければ、人の肉を食べてこい」ということでした。
当然、「僕」は困惑しますが、アパートの部屋のシャワー室から
シャワーと湯気がたち込める時、佐川君とパリの語学学校でともに
学んだ日本人女性「K.オハラ」が現れます。
美術学生向けのヌードモデルをしている「オハラ」のカカトの皮を
「僕」はカミソリでそぎ切ります。しかし、「K.オハラ」は幻の女でも
あります。オカマの「キヨ」から「スキヤキができた」と声がかかると
「オハラ」は消えかかります。彼女を追うために一歩踏み出した「僕」は
カカトを怪我します。手に残された「踵の皮」。これがオハラのものか
自分のものか、区別がつかないというのが、物語進行のミソです。
「キヨ」と「看守」と「僕」でスキヤキ鍋を囲みます。
「キヨ」と「看守」が何を食べるか延々と絡み合っている間、
「僕」は密かに先ほどのカカトの皮を溶き卵にくぐらせ、
口に放り込みます。その時、「僕」の脳裏には、これで佐川君に
会えるという喜びよりも、「オハラ」が消え際に残した「自分に変わる
だれかにあなたは会う」という言葉に惹かれます。
これが2幕で現われる女性「奈美さん」の布石になっている。
1幕はこれで終わります。
すると、佐川君に会いに行くかと思いきや、「僕」は「オハラ」に似た
誰かを求めて新宿のゴールデン街にやってきます。
・・・長くなったので、2幕冒頭の内容はまた明日。
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