12/25(水)『御注意あそばせ』本読みWS 第4回 その③
2024年12月25日 Posted in 中野WS『御注意あそばせ』
↑エチオピア神話に出でくるアンドロメダ姫。波打ち際で生贄にされ
かかったところをペルセウスに助けられます。その犠牲的な精神を
して、「キヨ」ちゃんの献身的な性格とニックネームがつながって
くるわけです
2幕です。ゴールデン街の飲み屋トロワバレは、
1幕の「キヨ」のアパートと同じ構造の呑み屋です。
シャワー室だった真ん中に押し入れがある。
「キヨ」がホステスとしての本領を発揮しています。
1幕で、「看守」は「キヨ」をゴールデン街のアンドロメダと
持ち上げますが、ドレスを着て、魅力を振りまいています。
そして、トロワバレのママが雇った流しの「竹馬の歌手」が
披露するシャンソン『小さなひなげしのように』の替え歌に合わせて
「キヨ」にしかできない芸を披露します。
すなわち、歌詞の「♪コクリコ」という箇所のたびに、手術が成功した
片パイが飛び出す!という芸です。2幕冒頭のつかみギャグといえます。
「キヨ」を婚約者の兄として慕う「看守」がストーカーのように
つきまとっています。ここに主人公「僕」がやってくる。
昨日も書きましたが、すでに佐川君に会うという目的は外れ、
「オハラ」に変わるこの店のママ「奈美さん」に惹かれて「僕」は
ここにいます。
唐さんが『佐川君からの手紙』をものにするためにお世話になった詩人
平出隆さん(河出書房新社の元編集者)や漫画アクションで有名な
双葉社の二村さんなど、芥川賞作家として二人の文壇人を繰り出します。
と、ここへ、ようやく「奈美さん」が現われる。
絶世の美女かと思いきや、銀色の白髪を持つ妙齢の女性という登場の
仕方です。ここから、物語はプーシキンの『スペードの女王』に
なぞれえながら進むことになります。
もはや佐川君は関係なし!
アンドレ・ブルトン『ナジャ』を意識し、唐版ナジャとも言える、
年において幻の女性を追う物語の本領に突入します。
奈美さんとは!?
ということで、次回は12/28(土)の開催。
もう明々後日です。ド年末の開催ですが宜しくお願いします!
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