2/12(水)『ジャガーの眼』本読みWS 第2回 その②

2025年2月12日 Posted in 中野WS『ジャガーの眼』
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↑読みながら、唐さんが憧れたフィリップ・マーロウ像を思い描こう!

一昨日の続きです。

自分としては、「扉」が「田口」に寄せる想いに気づいたことが
大きな収穫でした。思えば、この設定は、同じ探偵事務所を題材にした
『唐版 風の又三郎』の「教授」→「夜の男」の関係性にも似ています。

これから、この視点を以って全体を読み進めていくと、
本来的かつ新たな『ジャガーの眼』が自分に見えてきそうです。

さて、日曜に読み進めた部分の物語について。

アジア探偵社の「扉」が現れ、「住人たち」と「田口」のいさかいを
仲裁します。「扉」は車椅子に女性の人形(サラマンダ)を座らせ、
路地をウロウロしているわけですから、より怪しい気もしますが、
「住人2」の奥さんの不倫を「扉」が告げたことで、その場は上手く
散会となります。さすが興信所員です。

そこからは、「扉」から「田口」に対する口説きが始まります。
要するに、「アジア探偵社」に戻ってきてほしい、戻らないまでも
また一緒に仕事をしよう、と熱心に説得します。

「田口」はこれを断り、断る理由のなかで、「くるみ」の存在が
明らかになります。ある日、依頼人として現れた「くるみ」は
「田口」に何かの捜索を依頼し、「田口」がその仕事に専心するために
秘書まで買って出て「サンダル探偵社」の経営を支えているという
設定なのです。

「くるみ」の存在に、「サラマンダ」は大いに嫉妬して「暴君」と
呼ばれる大風を巻き起こします。

こうして、「くるみ」の登場に対する期待感が昴まっていきます。
いつも上演ではカットされる、「くるみ」の冒頭シーンがあると、
お客はさらにピンと来るように、私は思います。

私が特に面白いと思ったのは、「扉」の部下たちが通り過ぎる
シーンで「扉」と「サラマンダ」が入れ替わるところです。
「扉」が自分の心を「サラマンダ」に託していることがよくわかる
場面であると感じます。

次回の「くるみ」登場がたのしみです。2/16(日)19:30からです。

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