2/18(月)『ジャガーの眼』本読みWS 第3回 その②

2025年2月18日 Posted in 中野WS『ジャガーの眼』
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↑「くるみ」が他人の家に忍び込んで仕込んだ湯たんぽは
『泥人魚』でも活躍したこのようなデザインのものでしょう
これをこっそり仕込むとは、かなりヘンな行動です

昨日の続きです。
「くるみ」が登場すると、「扉」が喰ってかかります。

路地の家々をめぐり、「くるみ」は何をしていたのか、と。
他人の家に上がり込んで勝手にご飯をつくったり、寝ている他人に
湯たんぽを用意したりしていた人間。それが「くるみ」に違いない、
そう、「扉」「一の戸」「二の戸」は糾弾します。
しかも「くるみ」は、埃の降り積もったところに、大胆にも
「くるみ」というサインまで残していたのです。

泥棒や強盗にしては甲斐甲斐しすぎ、しかも自ら名前まで残していく
ところを訝られながら、こうして「くるみ」は糾弾されます。

そして、「この辺りには、ジャガーの眼を持った男がいる」
という長ぜりふが始まる。やや抽象的な言い回しではあるけれど、
少しずつ「くるみ」の目的が明らかになります。

ここで、面白いと感じたのは2点。

まず第一に、「扉」が必要に「くるみ」に喰ってかかる点です。
まるで、「田口」に道を踏み外させているのはお前だ!と
言わんばかりです。ライバル心の昂まりがすごい。

さらにその際、「一の戸」は「サラマンダ」が怒り狂わないよう、
「サラマンダ」の耳を塞ぐという芸の細かさを見せているのも
ユニークな点です。

次に、「くるみ」が町内を巡って家宅侵入し、家事を行なっていたこと
です。これ、雑誌「新劇」や単行本に掲載された冒頭シーン、
すなわち、女が路地の家を覗き込んでいる場面がしっかりと
上演されれば、ますます活きるのではないかと思うのです。


やはりこうやって何人かで読んでみると、『ジャガーの眼』って
こういう台本だったんだ、という発見に満ちています。
面白い! 次回は2/23(日)です。

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