2/24(祝月)『ジャガーの眼』本読みWS 第4回 その①

2025年2月24日 Posted in 中野WS『ジャガーの眼』
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↑移植したのは「角膜」のみです。劇中歌に「赤い塊」という
歌詞があるので眼球全体と思いがちですが、レンズの部分のみ


昨晩は1幕終盤から2幕の冒頭を読みました。
「くるみ」の恋人「しんじ」の角膜の移植先である「しんいち」が
登場し、「くるみ」の目的が露わになっていく。物語全体の根底が
示される場面です。

まずは、先週の続きとして、「扉」が「くるみ」を糾弾します。
勝手に他人の家に入り、何事かしている悪い女だというのが「扉」の
言い分であり、それはもっともなことです。

すると「くるみ」は、
「自分はジャガーの眼を持つ男」を探しているのだと言う。
なかなか抽象的な言い方ですが、これが後に、亡き恋人の角膜の
移植先だということが分かってきます。

どこまでも「くるみ」の肩を持つ「田口」に業を煮やし、
「扉」は「サラマンダ」の力を解放します。すなわち、
嫉妬の炎をたぎらせ「暴君」という名の暴風を呼び込みます。
舞台にいた者はみな吹き飛ばされ、静かな路地が戻ってきます。

そこへ、「しんいち」と「夏子」が登場します。
結婚を間近に控えた仲睦まじい恋人同士。「夏子」が「しんいち」
を想って想い過ぎているきらいもありますが、それも幸せのうち。

ところが、一人になって自分の部屋に入った「しんいち」を
待ち受けていたのは、テーブルの上のバースデーケーキ。
しかも、ロウソクに火までついていました。
普通に考えれば不気味な光景ですが、「しんいち」の右目の
角膜が反応します。たまらずにケーキを捨てようとすると
「くるみ」が現れ、「しんいち」に迫ります。

「くるみ」のそぶりから、彼女が自分に移植された角膜の元の
持ち主の関係者だということも分かってくる。

1幕はここで終わります。
「くるみ」が「ジャガーの眼」と呼んだのが、要するに元恋人の
角膜の移植先を意味していることが鮮明になり、この幕は終わります。

続きは、明日。


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