3/24(月)『ジャガーの眼』本読みWS 第8回 その①
2025年3月24日 Posted in 中野WS『ジャガーの眼』
↑ただの煙でなくて、こういう青春を彩る夏の入道雲のミニチュア版としての
煙だから、青春を取り戻すために、必死に煙をかき集めます
3幕冒頭を皆さんと読みました。その前の回。2幕終盤を読んだ時に
私の予定から通常とは違う月曜日に振り替えさせてもらったので、
その分のフォローも重点的にさせてもらいました。
3幕冒頭は、2幕終盤で「Dr.弁」が巨大な牛乳ビンと掃除機で
「くるみ」や「しんいち」を圧倒してしまったところから始まります。
「くるみ」は牛乳ビンに囚われ、リンゴから吹き出した青春の入道雲は
(要は"白い煙"ですが)、掃除機に吸い込まれてしまったのです。
まず、「田口」と「少年ヤスヒロ」はその青春の入道雲を取り返すところから
始めます。掃除機の中に吸われてしまった"白い煙"を、丁寧にストローで
吸い出しては、元のリンゴに返してゆく。その作業は細やかで、
唐さんがこういう作業を描く時の細やかさは本当に面白い。
実に律儀で、コミカルです。
煙を元に返すと、「少年ヤスヒロ」は「田口」に、なぜ牛乳ビン=「くるみ」を
探さないのか問います。そして、「田口」が内心「くるみ」を恐れていることを
見破ります。すると、「田口」は、その恐れに自らの過去が関係していることを
吐白します。
3幕から「田口」がしている片方だけのサングラス。
その奥に隠されたもの。そこに、田口の過去、が何らか関係していることが
仄めかされ、謎が深まります。そして、その謎解きに、『ジャガーの眼』という
物語全体が収斂していく方向性が示されていきます。
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