11/19(水)『木馬の鼻』本読みWS 第5回(最終回)その③
2025年11月19日 Posted in 中野WS『木馬の鼻』
↑2011年初夏に上演した『海の牙 黒髪海峡篇』のカーテンコールです。
『木馬の鼻』を書く直前の唐さんは、何を考えていたのか?
(撮影:伏見行介)
絶大に思えた会長「呂々井」は打ち捨てられ、孤独に沈む。
そのときのせりふは、
そして、俺だけ、タンスの中か......
これはやっぱり、いろいろなことを考えてしまいます。
台本に託して唐十郎はメッセージを送っているわけです。
『少女仮面』であれば、鈴木忠志さんと早稲田小劇場がしていた
あの伝説的な稽古に、唐さんは物申していたわけです。
『盲導犬』であれば、蜷川幸雄さんや石橋蓮司さんが行ってきた
革命青年の挫折劇に対して、やはり唐さんは物申していたわけです。
『木馬の鼻』は私と唐ゼミ☆メンバーに何を言いたかったのだろうと、
いまだに考えてしまいます。箪笥ってなんだろう?
四角い箪笥。
「青テント」のことかもしれません。
当時、公演地だった「花やしき駐車場」のことかもしれません。
当時、拠点にしていた「大学」や室井先生のことかもしれません。
さらに根本的に、「唐十郎」や「唐ゼミ☆」という劇団の土台のこと
かもしれません。
自分たちにとって表層的で具体なことから根本的な事柄まで、
何を言いたいのだろうと、今回の本読みを通じて、もう一度
突きつけられました。なんだろう?
『木馬の鼻』は全体にコンパクトでファンシーな作品です。
が、少なくとも私にとって、エンディングはかくも鋭いのです。
どういうことか? どうしたら良いのか?
どこまでの枠組みを破壊せよと言っているのか?
こうして、台本を受けて考えていることも、また一つの枠組みでは
ないのか?
書き下ろし、恐るべし、です。
トラックバック (0)
- トラックバックURL:

コメントする
(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)