11/3(祝月)『木馬の鼻』本読みWS 第3回 その①
2025年11月 3日 Posted in 中野WS『木馬の鼻』
↑23区内を車で走っているとよく見かける光景。何年〜何十年とかけて
建物の建て替えタイミングで土地を買い上げ、道路幅を広くする計画
です。劇中、箪笥屋の土地がはこの計画に引っかかったという設定です
このところ、週末がイベント続きでしたが、
久々にレギュラーである日曜日に開催できました。
全5回で終える予定ですが、希望は第3回。
第一幕半ばから第二幕冒頭にかけてを読みました。
再開したのは、「谷也」の上司である庶務課長の「林原」と
デパートの屋上遊園地の園長である「天雨」が去った後からです。
家族が友人の前で職場の冷遇をさらされた「谷也」は落ち込みます。
姉「竹子」とラーメン屋の「市」は気づかいと励ましたら、
そんな「谷也」を元気づけようと大仰にバケツ・雑巾を持ち出し
木馬の鼻を拭きます。そんな二人の振る舞いが返って痛々しく、
なかなか気持ちを切り替えられない「谷也」でしたが、
「市」が切り出した「ある谷」の話題には、するどく反応します。
「谷也」はずっと、南米が誇るインカ帝国の遺跡「マチュピチュ」に
憧れてきたのです。この木馬に乗って「マチュピチュ」を目指そう
という「市」の誘いかけが、ようやく「谷也」の気持ちを上向きに
させます。こうして、この白い木馬そのものも、目標の地である
「マチュピチュ」と名付けられることになりました。
と、そこへ、ふたりの測量士がやってきます。
巻尺を手にした彼らは道路を測るのみならず、勝手に箪笥屋にまで
入ってきて測量します。
その無礼を「市」がとがめると、この町内と箪笥屋が区画整理の
対象になっていることを告げ、町内会長が了承している手続きの上に
自分たちの測量があるのだと主張します。
ここでいう区画整理とは、実際の東京都内で見かける道路の拡幅の
こと。渋滞を解消したり、緊急車両が通れるように何十年とかけて
行っている建物のセットバックに、この町内と箪笥屋の敷地が対象と
なった。そういうわけなのです。
両親が入院しているためにこの箪笥屋を切り盛りする「竹子」は
そのことを聞いていませんでしたが、何やら町内会長は絶大な権力を
持っている様子、〈ピサロ〉という名の喫茶店を経営している地元の
名士のようで、箪笥屋にお客を紹介してもらっている手前、
土地計画も断りづらい。が、測量士たちの横柄さに奮起した
「竹子」「谷也」「市」は奮起し、土地を削られた際の心中を
仄めかすことで、彼らを撃退します。
そして、木馬に跨り、町内会長のもとへと異議申し立てをしに行く
ことを決意する。「マチュピチュ」を擁するインカ帝国に箪笥屋一党が
なぞらえられ、かつて南米を征服した〈ピサロ〉を敵とするこの劇の
対立構造が鮮明化して、一幕が終わります。
続き、二幕冒頭については明日。
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