11/4(火)『木馬の鼻』本読みWS 第3回 その②

2025年11月 4日 Posted in 中野WS『木馬の鼻』
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↑「群馬」を禿恵、「竹子」を椎野裕美子が演じた。ふたりが同時に、
対等に活躍できる台本を唐さんが書いてくださった
(唐ゼミ☆2014年9月、トラックの荷台を舞台にした野外公演より
写真:伏見行介)


『木馬の鼻』二幕冒頭をまとめます。
一幕終盤でに物語の敵役とされたのは、町内会長でした。
彼が絶大な権力を傘に勝手に区画整理を承認してしまったので、
いまや箪笥屋の土地は削り取られようとしています。

そこで、その区画整理に反対するために、
「竹子」「谷也」「市」の三人が、会長の経営する喫茶〈ピサロ〉に
乗り込む。冒頭ではその前段、〈ピサロ〉の日常が描かれます。

まず、喫茶店の真ん中には小さなステージがあり、
そこで、新人の女性ダンサーがフラメンコを練習しています。
インカ帝国を滅ぼした〈ピサロ〉はスペイン勢なので、
フラメンコ、というわけです。

町内会長は「呂々井(ろろい)」といい、
新人ダンサーは「群馬(ぐんま)」という名前であることが
わかります。「群馬」は言葉に、田舎の訛りを持っており、
なかなか垢抜けません。メイクも派手すぎるし、振り付けも
歌も田舎くさい。それを「呂々井」は見とがめます。
怒られた「群馬」は落ち込みますが、めげずに練習を繰り返す。
「加々子(かかこ)」という気に入りの女性店員がやってくると
「呂々井」は去ります。

そこへ、まずは「竹子」が乗り込んでくる。
何に使うのか、洗濯用の盥(たらい)をかついだ「竹子」と
「群馬」が対面します。怪しげな「竹子」に、「群馬」は怒りを
ぶつけます。お祭りの日に「市」と親しげにしていた「竹子」を
「群馬」は憶えており、ひそかに嫉妬していたのです。
「群馬」はコップの水を「竹子」の顔面に浴びせます。

箪笥屋vs喫茶店ピサロの前哨戦ともいうべき闘いが、こうして
始まりました。次に「市」が、やがて「谷也」が乗り込んでくる。
という続きは次回。11/10(月)の開催です。

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