9/11(火)『夜叉綺想』本読みWS 第11回レポート
2023年9月11日 Posted in 中野WS『夜叉綺想』
↑三幕半ば過ぎ。ネオンに引っかかったゴーシュのパジャマを見つめる
女装の3人。刑事、学長、マニキュアの紳士(写真:伏見行介)
さすがに『オオカミだ!』千秋楽を終えて撤収作業を終えた後だったので
疲労感はありました。が、それでも、『夜叉綺想』三幕の破天荒な
吸引力にエネルギーを引きずり出されるようにして2時間集中できました。
まずは、前回の復習から。三幕は特に丁寧に前週にやった箇所を
振り返りながら読み進めていきます。
二幕終了時点から一年後、
再開した牛乃と野口が心を通わせていくシーンです。
牛乃が持ち出すUFOと交信、それを可能にするヒマラヤ山岳民族の
言葉、という設定に初めは乗り切れないでいた野口も、
これに同調し始めました。それは、ゴーシュを亡くした牛乃を
哀れに思う心があるからです。ゴーシュの名を出されると、
野口は明らかに自分の兄が引き起こした不幸に責任を感じ、
牛乃に乗る。そうするうちに本来持っていた男女の好意が
引き出されて、徐々に意気投合していきます。
一方、博士は負け続き。
ケイコに似た女を街娼のなかに見つけるも、
彼女(桂=かつらという名前)には「若い土方」が扮するヒモが
付いており、博士は敗北します。
若い土方の兄貴分であった「雨の男」の臨終シーンが描かれると
若い土方は自分たちを蔑ろにする上流階級の象徴として博士を恨み、
自分の女の額に穴をあけた博士に匕首を振り上げて威嚇します。
と、ここで横ヤリ。
刑事、学長、マニキュアの紳士が女装して現れます。
彼らは、事件の引き金になった牛乃京子に疑いや恨みを抱き、
牛乃を捕まえるために街娼たちのたむろする街に潜入するために
女装した、という設定です。
(実際には、ずいぶん楽しそうではあります)
そして、ひとしきりふざけ合うと、
ネオンに引っかかったパジャマが風に煽れられて飛んできたのを
キャッチするべく牛乃が身を乗り出したところで、三人との対決に
突入します。
普通だったら多勢に無勢ですが、
三人のうち、学長は無力、牛乃についた野口への好意から
マニキュア紳士も骨抜きになり、牛乃が優位にことを進めます。
野口が三人になびくふりをしながら、その実、三人の隙を付いて
男たちを張り倒すシーンが面白い。
が、ここで、博士が刑事の味方につきます。
ケイコに似た桂(カツラ)に振られた腹いせに弟を恨んだ博士と
野口の対決が再開され、二幕の対立構造が三幕に復活します。
要するに話がもとに戻ってくる。
・・・というところまで9/10(日)にやりました。
次回、9/17(日)も復習をたっぷりにして先に進めます。
誰も迷子にせずに『夜叉綺想』を読み進めるのは難しい作業であり、
そこのところがおもしろさでもあります。
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