10/10(火)『青頭巾』本読みWS 第2回 その②

2023年10月10日 Posted in 中野WS『青頭巾』
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最高品質ラズベリーガーネットの原石。メキシコ産だそうです
0.3X39.7X30.3mm/65.7gで6,000円くらい。

昨日の補足です。
大まか、『青頭巾』本読みWS第2回の骨子は昨日の内容です。
浪人生の青年が花やしき前のテキ屋業界に首を突っ込んでいるのは
兄捜しのため。同時に、兄が付き従っているという青頭巾の
女テキ屋を探すため。

その中で、兄が商社員として商いの対象として取り扱っていた
ザクロ石の原石、というトピックが浮かび上がります。
物語が進むうち、青い頭巾の女テキ屋や兄らしき男が現れると、
話はテキ屋たちがこのザクロ石をめぐって奪い合いを繰り広げる
という状態に突入していきます。

兄のこと、ザクロ石のこと、両方ともが一気に明かされる点において
一昨日に読んだ第2回目パートの重要性はいや増すばかりです。
とにかく、この部分を見失ってしまうと話についていけなく
なってしまう。

他方、ここからはトリビアなネタなのですが。
そもそもザクロ石=ガーネットは宝石のなかでは
そんなに高価な方じゃないそうです。

だいたい、〇〇カラットのダイヤの原石、といった極端に巨大な
結晶でなければ、宝石の原石は一生働かずに暮らせるほどの財産には
ならないらしい。

もともと宝石というものは、原石どう加工するか、
指輪でいえばリング部分など、他の貴金属部分を
どうとり混ぜるかも重要ですし、デザインにお金が掛かっているもの
ともいいます。

そこへいくと、この『青頭巾』という劇の中で語られる
「ザクロ石」の取り扱われようは、まるでそれさえ手に入れれば
末代まで優雅に暮らせそうな高価さを思わせます。

もちろん、何十キロという重さ、奇跡的な純度の結晶、
という漫画ちっくな巨大さならば、億いくかもしれませんが!

こういうところは実に唐さんの可愛らしさです。
ですから、上演にあたるものはザクロ石が飛び上がるほど
高価でないと理解しつつ、だからこそより大仰に、
それこそ国家的な秘宝を取り扱うような大袈裟さで語るのが、
劇を上演する側の愉しさといえます。

また、お兄さんがザクロ石を発見した場所は
アフリカの「マウントサタン」とされています。

これは唐さんが幼少期にハマった紙芝居『少年王者』の中の
悪役が棲む魔の山の名前をとったものです。
当然、アフリカにそんな山は無い!

けれど、だからこそ、
これもまがまがしく謎に満ちた神秘の山として大袈裟に伝える。
現場の演技や演出の愉しさです。

以上。こんな具合に台本を読み、作戦立てていけば
芝居づくりは格段に面白くなります。内容を介して作者である
唐さんとのやり取りが面白いのです。
よし、現場として唐さんを大いにサポートしてみよう。
そういう気概で取り組むのが愉しいのです。

次回は10/15(日)。
いよいよ青頭巾の女テキ屋が正体を表して活躍を始めます。

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