10/16(月)『青頭巾』本読みWS 第3回 その①

2023年10月16日 Posted in 中野WS『青頭巾』
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↑白頭巾の青年が持っている、これが、かつて子どもたちにとって
憧れの文房具であった拡大器です(写真:伏見行介)


昨夜は『青頭巾』本読みの第3回目でした。

前回の最後に登場した女テキヤが、青年の捜している
青頭巾をかぶった女テキヤだと知れるところが最重要トピックです。

行方をくらました元エリート商社員の兄を探す青年にとって、
兄が浅草界隈で青頭巾をかぶった女テキヤのサクラをやっているという
噂をもとに花やしき前にやってきていたわけです。
ですから、いよいよ兄の気配に近づいてきた。
実際、兄らしき人物が登場し、追おうとするとパッと逃げてしまう
という場面もありました。

物語の展開を改めて整理すると、下記です。

(1)
女テキヤは口八丁でガセ象&ユリアvsカラスの口上合戦をけしかけ、
まんまと両者を追い払って自分の商売の場所をせしめる

(2)
女テキヤの扱う品物が「ヒゴの拡大器」だと知れたことで、
子どもの頃に誰もが憧れたこの道具への好意を大人になっても
持ち続けていた青年は、拡大器を絶賛する。
すると、自分の売り物をガセ(役に立たないもの)と自認していた
女テキヤは大いに青年の反応を喜び、二人は親し気になる。

(3)
女テキヤが青い頭巾を付けたことで、青年は彼女が、
自分の探していた兄への手がかりだと知る。

(4)
青年が小学校の裏手で拡大器を買った体験、
青頭巾の女テキヤの子どもの頃の記憶が重なり、
二人が過去に出会っていたことがわかる。

(5)
女テキヤは子どもの頃、幼い弟と二人で青頭巾のテキヤに
養われる身だった。学校にも行けないような子ども時代。
小学生たちにはバカにされ、投げられた石が女の額に当たって
傷を受けた。二人を養った親代わりのテキヤも亡くなり、
姉として稼業を継いだものの、可愛い弟が交通事故で
死んでしまう。以来、孤独で青頭巾の女テキヤとなり、
拡大器を商ってきた


・・・という展開でした。
長くなったので今日はこれくらいにして、明日に補足します。

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