11/20(月)『青頭巾』本読みWS 第8回

2023年11月20日 Posted in 中野WS『青頭巾』
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↑1幕終盤に続き、快庵和尚が登場します。圧倒的にキャラだっている
彼が登場すると、物語がラストスパートします(撮影:伏見行介)


昨晩は10月から続けてきた『青頭巾』本読みの第8回。
次回第9回が最終回ですから、劇の終盤に向けてこれまでの内容が
急速にまとまっていくのが昨日の内容でした。

そういうわけでは、もはや内容は複雑でなく、
シンプルな3つのトピックが順を追って展開します。
おさらいしてみましょう。

(1)拇印を押してしまう杉作
前回から話題になっていたオイチョカブの弟の養子縁組。
弟は亡くなっているわけですが、警察から遺体処理をめぐる問合せを
受けたオイチョカブは、事後的に弟を杉作の家「上田家」の養子とし、
お墓に入れたと杉作に口裏を合わせてもらうよう懇願します。

これに反対したのがカラス。
杉作がオイチョカブになびくのを許せないカラスは、
オイチョカブの素性を露わにしてこの契約を邪魔しようとします。
が、結果的に杉作はオイチョカブの頼みを聞いて拇印を押します。
悲嘆に暮れるカラス。

(2)トランクを誰に返すか?
次に杉作からオイチョカブへのお願いが始まります。
杉作が捺印に応じたのは、オイチョカブを信じているからでした。
彼女は欲得で動いているのではない。すなわち、ザクロ石入りの
トランクを返す気があるのだと信じようとしていたのです。

杉作のこの思いを知った時、オイチョカブはたじろぎます。
ということはやっぱり詐欺師だったのかと杉作が思えば、
彼女は奇妙な提案をします。即ち、トランクの把手にロープを
結わえ、お兄さんが首を吊った木の枝を使って、天高くトランクを
飛ばそう。そうしてお兄さんの元にトランクを返そう。
こういうのです。

杉作は言うことを聞きます。
これが、またしてもオイチョカブによる騙しの手口かと思われた時、
彼女は一人、歌います。自分のほんとうの目的、それは、
お宝をマウント・サタンに返すこと。
この下は、エンディングに向けて重要な意味を帯びてきます。

(3)商社の牧村課長と快庵和尚が持ちかけた取引
ここに牧村と快庵が登場します。オイチョカブを陥れ、
トランクを取り返そうと二人は提案を持ちかけます。

ザクロの木の下にオイチョカブの弟が埋まっていることを察知した
彼らは、その土を掘り返し、白骨化した弟の遺体と引き換えに
トランクを取り返そうとします。最大の弱点を突かれたオイチョカブ。

さらにまた、彼らは二重の罠をはっていました。
オイチョカブが弟の遺体を木の下に埋めたのを(つまり死体遺棄)、
隠れている警察の前で白状させることで、彼女の罪を暴こう、
彼女を逮捕させようとしたのです。

今回ばかりは、見事に罠にはめられる側になってしまった
オイチョカブ。駆け込んできた杉作との別れが迫り、
物語はラストのクライマックスに向かって突き進みます。


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