12/25(月)『鐵假面』本読みWS 第4回 その①
2023年12月25日 Posted in 中野WS『鐵假面』
↑なんとか全編を見たいのですが、手に入らず・・・
読んだのは1幕終盤の約20ページ。
今回も際立った場面の連続なので、2日間かけてレポートします。
乞食たちとの争いから何とかボストンバッグを守りきったタタミ屋。
しかし、姉妹の妹・スイ子は彼に対して冷淡な態度を取り続けます。
そこへ、おしろい婆アと紙芝居屋の親子がやってくる。
息子である紙芝居屋の静止にもかかわらず、
婆アは自ら「蟻の街のマリア」を標榜し、高齢にも関わらず
食い詰めた男たちに色気まで振りまこうとします。
この元ネタは、
戦後、隅田公園周辺にあった廃品回収業の集落=通称:蟻の街で
社会奉仕家として有名だった北原怜子(きたはら さとこ)。
キリスト教徒だったことから「蟻の街のマリア」と呼ばれた女性です。
「蟻の街のマリア」に憧れ、しかも街娼のように振る舞う婆アを
止めようと、息子である紙芝居屋は彼女を木の枝で打ちます。
そんな愁嘆場ととともに次のシーンへ。
そこへ、味の素社の若手社員が現れ、ホステスの姉妹ふたりと絡みます。
エリート社員風を吹かせてイケイケの若手社員でしたが、
公衆トイレの中で乞食たちに出会うと態度が一変。
それまで乞食に扮していた者たちは、
実は味の素社の社員たちであり、群れを率いる乞食の頭領こそは
部長の味代(あじしろ)と知れます。
彼らはアジアの旨味調味料たるグルタミン酸ナトリウム=味の素の
社員だけあり、凋落していくであろう西欧を見切り、
アジア圏への進出に注目。アジアの根源はカオスたる"泥"にある!
と見定めて、日夜、乞食に化けて泥の研究に励んでいたのです。
↑懐かしき「味の素」の容器。後にアジアを席巻!
この味代。彼の見せ場はまさに
乞食に変装していた男の変身シーンであり、初演時に唐さんが
演じたことも考え合わせれば、大ウケだったのが容易に想像できます。
そして勘の良い方ならば、2003年初演の『泥人魚』で唐さんが
演じた伊藤静雄こそ、その応用であると気づくはずです。
あの時も、オムツに巨大なウンコをつけたボケ老人が,
時計が20:00の鐘を打つとあっという間にタキシードの
ダンディに変わるという趣向でした。
約30年の時を経て必勝パターンを繰り返す唐さんを思い出しつつ。
続きは明日!
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