1/22(月)『鐵假面』本読みWS 第7回

2024年1月22日 Posted in 中野WS『鐵假面』
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↑やはり明智小五郎といえば天知茂。が、唐さん流の明智はスカートを
はいて二十面相に抱かれたい乙女チックな小五郎となる
天知さんがやってくれたら、さぞ面白かっただろうなあ


昨晩は本読みWS。今日は『鐵假面』第7回目のレポートです。
読んだのは次の3つのトピックです。

①ポリスマン率いる町の人々の場面
②タタミ屋が『少年王者』妄想を爆発させてスイ子を訪ねてくる場面
③鉄仮面の群れが登場しての、鉄仮面裁判の前段

まずは①から。

①ポリスマン率いる町の人々の場面
ここは先週やったシーンなのですが、先週は初めてで
騒がしく楽しい場面、という要素をひたすら追いかけました。
そこで、ちょっと冷静になって特にこの場面の後半を読み解きました。

重要なのは、正義があって悪があるのではなく、
悪があって初めて正義が成立するのだ、という論理をポリスマンが
開陳するところです。つまり、悪は正義に先行し、
ゆえに犯罪はこれを肯定的に捉えてみようじゃないか、
という考え方です。実にこの芝居を最後まで読み解いてゆくと、
この価値観が大事な役割を果たすことに気づきます。

その上で、かつては明智小五郎だった警官がスカートはいた
女性になって、怪人二十面相たる味代に迫り、フラれるという
流れに入ります。フラれてヤケを起こす警官の楽しさを
味わい尽くしました。警察とは、犯罪者に憧れ、惚れ込む
女のようなもの、という唐十郎流の大胆な考えがここに
炸裂します。


②タタミ屋が『少年王者』妄想を爆発させてスイ子を訪ねてくる場面
2幕にほとんど登場してこなかったタタミ屋がやってきます。
正確には、インサートシーンで叔父さんと鉄仮面割り修行に
励む姿が描かれましたが、本格的には、中盤を過ぎてようやく登場
という珍しい主人公です。そしてここからが問題。

彼は見世物小屋に「スイ子」という名の女性がいると知ってやって
きたのですが、要するに『少年王者』フリークの彼は、物語のヒロイン
の名前と同じ女性をつけ回す癖があるのです。

結果、稲妻姉妹の妹「千羽スイ子」に付きまとい、
自分の理想の女性を投影しようとする姿は、かなり痛い。
モノマニヤ、というふうにスイ子に気味悪がられますが、その通り、
圧倒的な偏執狂ぶりです。

1幕でさんざん問題にしていた公衆トイレの落書き「有志来たれ」は
物語が始まるに際して原動力ともなったフレーズですが、これ自体、
タタミ屋の自作自演と知れるせりふも見逃せません。

こういうところをめざとく見つけてツッコミを入れつつ味わう。
唐さんの台本を楽しむコツです。

③鉄仮面の群れが登場しての、鉄仮面裁判の前段
そしていよいよ鉄仮面の群れが登場しますが、これがまたひどい。
タタミ屋によれば、かつて谷中の墓地で『少年王者』ごっこをしていた
タタミ屋が怪我をした時、親切に解放してくれた女性を集団レイプ
したのが、彼ら鉄仮面たちだというのです。

かなりハードコアな設定ですが、その割に実際に登場した鉄仮面たちは
ゆるキャラ系で、どう見て良いのか迷子になりそうです。
ここはひとつ、非道なところは非道に、ユルいところは徹底して
遊ぶことで、ますますその支離滅裂さに拍車をかけるのが良いでしょう。


という具体に、昨日は3トピック。
あと3回で完結というペースで進めています。
次回は変速で1/26(金)の夜に!


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