5/17(金)『腰巻お仙 振袖火事の巻』本読みWS 第1回 その①

2024年5月17日 Posted in 中野WS『腰巻お仙 振袖火事の巻』
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↑いかにも対峙している、という感じがします

お通夜・告別式が大きな出来事すぎて、
このレポートが後回しになっていました!
気づけば次回の2日前。
そこで、前回5/12(日)に行った内容をまとめます!

この回から演目は『腰巻お仙 振袖火事の巻』に入りました。
2月半ばから『忘却篇』『義理人情いろはにほへと篇』と続けてきた
『腰巻お仙』シリーズの集大成的作品です。
まずは、各演目の初回恒例となっている執筆背景や初演の様子から
話を起こし始めました。

この演目の初演は波乱に富んでいます。
例の「新宿西口中央公園事件」というもので、このインパクトがでかい。
経緯を説明するとこうなります。

1967年8月に花園神社で紅テント興行を始めた唐さんですが、
その公演は長く続きません。『アリババ』『由比正雪』ときて、
すぐに花園さんでの公演が続けられなくなってしまう。
そこから『続ジョン・シルバー』を新宿ピットインで公演したり
しながら、次の公演地を探します。それが、新宿中央公園でした。

現在では都庁の麓にある公園、当時の新宿西口は暗かったようです。
ここに目をつけるも、許可が降りない。そこで唐さんは、
許可が降りないことも折り込みながら新しい台本を書く。
それが『振袖火事の巻』でした。

初演は1月3日とあります。これもなかなか周到です。
通常、1月上旬のテントは寒すぎるわけですが、
世の中がストップする年末年始を狙い目としたわけです。
この辺はなかなか周到です。

当時、新宿界隈に集まる青年たちにとって機動隊は馴染みの存在
だったわけですが、それゆえに主人公・円谷芳一を自衛隊員に
設定する。作品のハードとソフトが現実とリンクするよう、
準備に抜かりない。

結果、例の事件です。
面白いのは、集まった機動隊の数が一定しないことです。
唐さんが亡くなったことにより多くの追悼記事が出て、
この事件への言及が多くあります。中には200人という説、
300人という人もいて、この一定のしなさがかえって、
現場の興奮を物語っています。

ともあれ、3作続いた『腰巻お仙』はこれで完結します。
明日は内容について触れましょう。

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