12/30(木)出る瞬間の人たち(林)

2020年12月30日
2020年、もう終わりますね。
改めて、「唐版 風の又三郎」にご来場くださった皆様、
ご支援いただいた方々、見守ってくださった皆様、
本当にありがとうございました。

この状況下でできる劇団公演、劇団員として
どうこの公演に関われるか今まで以上に考えた気がします。
そしてとにかく、集中しよう、という単純明快な目標を立てました。

それは、すばやく動く、とか、最後まで粘る、とか
人のことをよく見る、とか
日々そういう形でやっていくことでしかなかったですが
そうしていないと体調を崩したりして一気にガタガタと崩れてしまうのが
一番怖かったというのもありました。

となんだか堅苦しくなってしまったんですが
舞台上に立つとそんなことは関係なく
暴れまわる人たちに負けじと闘志メラメラでした。

そんな中で私だけが見た「風の又三郎」は
舞台に出る瞬間の人たちです。

鳳.jpg
(写真:伏見行介)
今回ほとんどのシーンで一緒だった鳳さん。
もちろん舞台袖での待機も毎回一緒だったのですが
特に印象的だったのは一幕ラスト。

一幕ラストに、「この場をぶち壊すように」とト書きにあり、
駆け込んでわめきます。
鳳さんが私の手を握って二人で駆け込むのですが、
鳳さんの迷いのないスピードの良さは、思わず
すっころんだらどうしよう、と何回か頭をよぎったほどでした。

次は米澤です。
米澤.jpg
(写真:伏見行介)
1幕で、又三郎と老婆の会話を聴き、
二人の会話をひろって揶揄するようなせりふで登場するシーン。

私はそのシーンで佐々木あかりと共に、
教授である米澤の登場する門をあける係だったのですが
教授のせりふ、「天国と地獄を絵で見りゃ地獄の方がおもしろそう」
このせりふを言ったあと、門をあけます。

米澤はこのせりふを、踊るような動きで発声していました。
かと思うと、門をあけたとたん、シレッとした顔をしてブレずにまっすぐ前に歩いていく。
あまりにシレッとしてるので、初登場??と思いそうになりましたが
いや、この劇の第一声はこの人だった。と自分につっこんだ日もありました。

丸山.jpg
最後は、丸山さん。(写真:伏見行介)

言わずもがな、こちらの想像を越えた動きをする人ですが
それは舞台の外も同じでした。

エリカの歌が舞台上でかかって、その歌を聞きつけた夜の男である
丸山さんが「だれだー!!」とテントの外から叫び、舞台上に
登場するシーン。

外で待機している丸山さんは上手からの登場のはずなのに、
ずいぶん離れたところにいるので、あれ?と思っていたら
離れたところから「だれだー!!」と叫びながら全力で上手に走り、
そのまま一人でテント幕をかき上げて舞台上に消えていきました。

そんなところにいて間に合うのかな、と思ったこちらの不安も
丸山さんは同時に消し去っていきました。

という感じで
本当は出演者全員に対して書きたいくらいです。


そして公演を振り返りつつ、私は次の稽古に突入しています。
年明け一発目、1月8日から本番です。

こちらのゼミログに詳細が書いています!
あと少しで本番だなんてまだ信じられないですが
年明けも同じく、集中!
林.jpg
(写真:伏見行介)
ありがとうございました!

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