9/30(月)『少女都市』本読みWS 第3回 その①
2024年9月30日 Posted in 中野WS『少女都市』
↑昔なつかしきオールガラスのラムネびん
ビー玉を取り出すために側を割る行動に出た子どもたちもいました
超重要部分に入ったので、2回に分けてじっくりとレポートします。
まず、前回から続く、眼下に広がる海の世界から。
フランケ醜態が男(雪子の兄)に見せたのは、夜の海の世界です。
そこには、生まれてくることができなかった子どもたち、
その子たちを孕んだ母親たちがうごめいています。
そのなかの一員として前回読んだ「上海ママ」も登場しました。
彼女は、男の母たらうとして近づきながら、
そんなことは叶わず男娼でもあることが分かってきます。
母親になりたくてなれない苦しみを象徴します。
『煉夢術』に登場した人体模型まで登場して、
肉体を求めながら眼下の海に身を投げます。
要するに、フランケのいるこの世界が、生に憧れてつつも
立派に現世を楽しむことのできない、身体を失った生者・死者たちの
すぐ真下において成り立っていることがわかります。
ところ変わって1幕3場に入ります。
フランケの実験室では、雪子の身体がガラスに改造されています。
まずは子宮から。ビー玉を素材に用いてガラス化の手術が行われます。
すると、助手である女たちの手落ちから大事なビー玉が割れてしまい
フランケは激怒して女1にラムネを買いにやらせる。
中のビー玉を補充して手術を続行しようとするのだ。
この時のモノローグは、フランケの内面をよく示している。
彼は傷つき、欠損しているものに耐えられない。
決して壊れることのない強固さと、それから美しさを持つものに
憧れる。割れたビー玉を嘆いて語られるこのせりふにより、
雪子への手術の動機が見えてくる。生理を排するその手術によって
雪子はガラスの身体を手に入れ、永遠の少女として美しさを
生きる。手術に込めたそういう願望が見えてくる。
・・・長くなったので、続きは明日。
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