10/22(火)『少女都市からの呼び声』本読みWS 第1回 その②
2024年10月22日 Posted in 中野WS『少女都市からの呼び声』
↑2005.3に近畿大学で行った唐ゼミ☆『少女都市からの呼び声』
手術シーンから始まる。ドクター・フランケの手術と対称になる
現実世界のオペ
『少女都市からの呼び声』は病院のシーンから始まります。
『少女都市』でただ「兄」とされていた雪子の兄には「田口」という
唐さんが最もよく主人公に名付ける固有名詞が付いています。
ちなみに、唐さんがこの苗字を愛するのは、母方の姓だから。
田口が手術を受けています。
看護婦から田口の友人・有沢と、有沢の婚約者・ビンコが説明を
受けます。看護婦曰く、盲腸とされた田口の腹部を切開してみると
お腹の中から妙な髪の毛が出てきた。それを摘出しても良いかどうか。
天涯孤独の田口について判断できるのは親友の有沢だと、病院側は
目をつけたわけです。
有沢の思い当たるところによれば、田口はこう、フッと別の人格が
よぎることがあった。親友同士かつホモセクシャルでもないのに、
ふっと男女の恋愛感情のようなものがよぎる瞬間があったと言います。
つまり、田口のお腹の中から発見された長い髪の毛は、
生まれて来られなかった双子の妹・雪子であり、時々は少女の
人格が顔を出す、という仕掛けであったわけです。
有沢が呼ぶ声を聞きながら、田口はひとり幽体離脱して
雪子の住む世界を目指します。つまりそれが「少女都市」という
わけです。
田口が雪子を探して歩むと傷痍軍人らしき老人たちに遭遇、
妹を探していることを告げると、「オテナの塔」を目指すべしと
アドバイスを受けます。いう通りにすると、田口は雪子の暮らす
部屋にやってくる、という流れです。
老人たちとの会話、雪子との邂逅シーンは『少女都市』と同じです。
しかし、冒頭に病院の場面があり、そこに有沢・ビンコ・看護婦が
現れるのは、この『少女都市からの呼び声』ならではの展開です。
『少女都市』と『少女都市からの呼び声』の違いとしては、
この病院の存在が大きい。つまり、冒頭と末尾に病院の設定を加えた
ことで、彼岸と此岸がわかりやすくなり、スッキリするわけです。
次回は10/27(日)。お馴染み、フランケ醜態博士も登場します。
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