10/28(月)『少女都市からの呼び声』本読みWS 第2回

2024年10月28日 Posted in 中野WS『少女都市からの呼び声』
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↑2005.3に上演した唐ゼミ☆『少女都市からの呼び声』の老人AB
オテナの塔を発見して感激しています


昨晩は『少女都市からの呼び声』本読みの2回目。
読んだ箇所としては、

①兄の田口が雪子の部屋を訪ねて、雪子にフィアンセができ、自分の体を
ガラス化しようとしている現在が明らかになる
②フランケ醜態と田口の初対面を通じて、田口はフランケに不信感を持つ
③オテナの塔を目指す老人ABの会話を通じて、憧れのオテナの塔の
イメージがつくられる
④フランケの研究室で行われる雪子のガラス化手術と割れたビー玉

という4場面でした。
要するにここはオリジナルの『少女都市』と変わらない場面です。
ですから、より理解を深め、より細部を愉しむ読み方をしました。

①雪子と田口の邂逅
ポイントは田口のダメ兄ぶりです。他人の保険証を使うわ。
会社の金を横領してクビになるわ。妹を探してきたのはお金を
無心するためというのも露骨。一方で、しっかり者で健気な妹。
雪子は働き者です。一方で、身体に不具合があることが前提となって
おり、特にこの『少女都市からの呼び声』においては、生まれて
来られなかった存在、だということが重要です。それにしても、
そんな妹に無心しにくる兄のダメさよ・・・

②フランケと田口の初対面
工場の主任と紹介されたフランケは、敏腕上司であるよりも
怪しさが際立ち、田口に警戒心を抱かせます。
ここがコミカルになるのは仕方ないし、望むところ。
ただし、満州行軍のシーンで一気にフランケの内面を炙り出し、
そのコンプレックスやシリアスさをギャップとして表すための
前段と捉えましょう。

③老人ABとオテナの塔
唐さんが処女作から執拗に愛してきたキャラクターと場面です。
下町に暮らす人々のいじらしさ、唐さんの愛着がよく出ています。
それでいて、若く野心に溢れた唐十郎青年は、ああはなるまいとも
思っていたはずで、アンビバレントな感情が噴き出している面白さです。
この二人を通じて「オテナの塔」をしっかりと描きましょう。

④フランケ、雪子をガラスに改造中
フランケによる雪子の改造手術は、ケレン味に溢れています。
本当はもっと繊細な作業だと思いますが、ビー玉が原料となる
ガラス化手術です。その中で繰り広げられる女1・2・3との
やり取りは、フランケがいかに生活感を憎んでいるかの証左です。

昨日は、割れたビー玉にフランケが語るモノローグの途中まで
やってタイムアップだったので、来週は少し戻って、
雪子のガラス化手術シーンから再開します。
次回は11/3(日)19:30から!

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