2/16(月)『ビニールの城』本読みWS 第2回 その①

2026年2月16日 Posted in 中野WS『ビニールの城』

昨晩のオンラインWSのレポートです。演目は『ビニールの城』。

だいたい、私たちの本読みは、1日に20ページずつ進むことを目標にして

います。何年も続けてきた結果、大雑把になりすぎてもつまらないし、

かといって、3行進むのに1時間かかった、というような、かつての

演劇界にあったスパルタ稽古では、全体が見えなくなってしまう。

ちょうど良い塩梅が、20ページ。


で、昨日はまた、唐十郎戯曲に珍しい「章立て」の第二章部分が、

ピタリと20ページにはまるということで、たいへんスッキリした回となりました。


場所は、カミヤ・バー。

浅草にある名物バーは「神谷バー」ですが、唐さんは屋号をカタカナで

書いています。ひょっとしたら、そのまま使うのは憚られたのかも知れません。


何しろ、唐さんがこの劇で描く浅草は暗く、閑散として、霧深い街です。

さらに舞台となるカミヤ・バーも、店の端っこは床が破れて、水が染み出して

しまっている。本家のオーナーさんが知ったら怒るかも知れない。

唐さんはそんなことも考えて、カタカナ表記にしたのかも知れません。

そういうところ、唐さんは周到なのです。


物語に目を向けると、このカミヤ・バーの酔客である「朝顔」の前に

劇のヒロインとなる「女」が現れ、店主である「バーテン(マスター)」と

問答する、というのが第二章の前半です。


どうやら、この「女」の亭主はバーの従業員で、しかも病弱につき

欠勤続きらしい。「朝顔」にとって気になるのは、この亭主もまた

「夕ちゃん」と呼ばれていることですが、それも、酔いとまどろみの

中に消えてゆく。


一方、「女」は、自分が亭主の代わりに働くと「マスター」に提案します。

そのために、水たまりに備えて長靴を履き、まつ毛パッチリ、

口紅は濃厚、なぜか腰には金魚鉢をぶら下げてメダカまで泳がせています。

が、そんな変ないでたちや、過去にこのバーで見せた「女」の奇行を

あげつらい、「マスター」は「女」の就労を断念させようとします。


そういう合い間に、「女」は常に「朝顔」を気にかけます。

チラチラと「朝顔」に絡もうとする場面がインサートされて、

何かこの二人には因縁がありそうだ、と観客に思わせるよう構成されています。


もっとも、「朝顔」はてんで奥手で、「女」との会話を避け、

正対しようともせず、まるで取り合わない、というのも大きなポイントです。

女性とまるで喋れない、そもそも関心を持てない、そういうキャラクターの

片鱗がすでに見え始めます。


そこへ「河合」とその「連れ」という風変わりな二人が入ってきますが、

続きは、また明日。


↓ご本家は「神」が旧字ですし、漢字です

images.jpg



トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)