6/17(月)『少女仮面』本読みWS 第1回 その①

2024年6月17日 Posted in 中野WS『少女仮面』Ⅱ
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↑モチーフとなった春日野八千代さん(1915-2012)
かくしゃくと新舞踊を踊る姿がYouTubeにあります


昨晩は『少女仮面』本読みの初回でした。
やはり唐さんの代表作だからか、新しく参加してくださった方が二人いて
彼らはいずれも唐十郎作品を研究していこうとされている青年です。
唐十郎と同時代を生きた人でなくともその作品を愉しみ、
引き継いでゆく方法を探っていくのも唐ゼミ☆とこのWSの目標ですから
一人一人に愉しんでもらおうと思ってやっています。

初回でしたので、
唐さんが『少女仮面』を執筆するに至った背景からお話ししました。

さまざま資料をあたっていくと、
早稲田小劇場から執筆依頼があったのが1969年4-6月です。
この頃、『劇的なるものをめぐってⅠ』の公演中に告知されていた
別の作家による新作が行き詰まったために、唐さんに白羽の矢が
立ったそうです。

唐さんはその後、7月には紅テントの南下興行に出ていますので、
出発前にこの『少女仮面』を書いて鈴木忠志さんに渡していった
ものと思われます。名古屋から電話をかけて、その感触を確認し合う
電話をしたと、記録に残っています。ちなみに、状況劇場が名古屋
での公演をしたのは7/26-30。

上記を総合すると、依頼を受けてから脱稿するまでに4〜1ヶ月しか
かかっていません。唐さんが『少女仮面』を書くのにかかった時間は
2日半と方々で書いていますから、1969年4-7月のうちの2日半で
これをものにしたことになります。恐るべきスピードです。

執筆中、ずっとメリー・ホプキンの『悲しき天使(Those were the days)』
をかけていたそうです。当時はレコードにリピート機能はありませんから、
約3分で終わるこのレコードの針を移動し続けた劇団員がいて、
それは十貫寺梅軒さんであると聞いたことがあります。
居眠りしていると、別間で執筆している唐さんから「止まっているぞ」
と声が飛んでくる。なかなかハードな環境を想像します。

といったお話しまでが執筆背景。
長くなったので、読んだ序盤の内容は明日にします。

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