6/24(月)『少女仮面』本読みWS 第2回
2024年6月24日 Posted in 中野WS『少女仮面』Ⅱ Posted in 中野WS『少女仮面』Ⅱ
↑昨日はWSの予習として家族で銭湯に行きました。スーパー銭湯では
ダメで、富士山のタイル画のある日常用の銭湯を探してきましたが、
いつも通っている床屋さんが教えてくれたここが、"当たり"でした
喫茶肉体に入ったところからを丁寧に読み。
腹話術師の若き芸術家としての気負いと自己顕示欲。
それにあてられて苛立ち、喫茶店のお客であるにも関わらず
腹話術師につらく当たるに至ったボーイ主任とのやりとりを読みました。
若い芸術家は、まだ何者でもないという気負いから奇矯な行動に出ます。
喫茶店にわざわざ人形を持ち込んで腹話術を披露し、コーヒーを二つ
頼むやり方はまさに自己承認欲求のかたまりです。
主任はそれが気に入らず、暴力的な振る舞いに出る、という進行です。
面白いのは、ここに水道水のタダ飲み男が現れることで、
彼は奇矯な行動において"天然"なわけです。だから、腹話術師は
この男を挫折と羨望を持って眺めたはずです。
世の中には自然体で天才をやりこなす人がいる。
芸術家志望が生活者に打ち砕かれる瞬間を、唐さんは熟知しています。
水道水飲み男はまずは小手調べ。
明らかに『ジョン・シルバー』の小男の影響下にあるこの役は
唐さんが得意の偏執狂であり、後に"戦争"を背負った存在だと知れます。
この男にまんまと水道水をタダ飲みされた苛立ちを、
ボーイ主任は腹話術師にぶつけます。この辺りの心理的な流れを
面白く捉え、人形に対する横暴に結びつけるとグッとウェルメイドに
なります。さらに、腹話術師の気弱さが引き立って、いかにも
駆け出しの表現者の足掻き、というモノローグが始まります。
唐さんの得意な"内向性"の世界。
次にボーイたちを連れてきて、いきなり踊りや歌を披露させ、
そこに苛烈なまでの演出、ダメ出し、追い込みを見せるのも、
これは、主任による腹話術師への見せつけとも取れます。
結果的に、すでに腹話術師はうなだれて店を去っており、
注文のコーヒー2杯分を無銭飲食しているのがご愛嬌です。
結局この店は、一度としてまともに喫茶店業務を果たしていない!
と、ここに貝と老婆が訪ねて来ます。
ボーイ主任は一瞬で、このふたりには単なるお客でなく、
喫茶店オーナーである春日野八千代に対する何らかの意志があるのを
見てとります。二人は希望に燃えてウキウキしていますが、
それが主任にとってはうっとおしい。
お気楽な貝と老婆を、まるで圧迫面接のように追い込むため、
ますます主任がボーイたちにつらく当たる・・・
というところで昨日はタイムアップでした。
どうも、目下とりくんでいる劇だと細かくなりすぎる傾向にあり、
反省しています。次回からもっとスピードアップします!
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