7/1(月)『少女仮面』本読みWS 第3回

2024年7月 1日 Posted in 中野WS『少女仮面』Ⅱ
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↑主任は明らかにゲーテを読んだことがない設定です。
が、唐さんはゲーテを読んでいる。ファウストを読んでいなければ
書けないせりふがありますし、今では唐組の主演女優となった
美仁音さんの名前はこの本に由来します


昨晩は『少女仮面』本読みWSの第3回。
私が稽古に取り組んでいるのでどうしても細かくなりがちですが、
全5回で完結させたいのでグッとペースを上げました。

ボーイ主任による少女・貝への高圧的態度。
水道の水を求めて止まない不思議なサラリーマンと主任の攻防。
ボーイ2の挙動に見る主任からの絶え間ない抑圧。

を次々と読み解きながら、一方で、主任の弱さもまた露呈し始めるのが
昨晩に取り組んだ1場半ばすぎの面白いところでした。
例えば、主任が明らかにゲーテを未読である箇所。

少女・貝が話題にゲーテを持ち出したことで主任は狼狽しますが、
演劇用語を並べ立てて再び主導権を握ります。
これらは実は、丹念に読むとつじつまの合わない内容なのですが、
とにかく難しげなことを言って貝を威嚇するところに、
主任の小ささがよく出て、観る者、読む者を愉しませます。

また、ずっとこの小さな喫茶店空間に閉じこもったままで、
世間の急激な変化に不安を覚えたからこそ、貝に激しい言葉で
当たり散らすところなど、小心さがさらに露呈していきます。

帝王のように振る舞う主任に?マークがついたところで、
いよいよ春日野が登場。周囲が緊張するなかで『嵐が丘』のせりふを
そらんじ、衣裳のまま入浴しようとします。

とここで、春日野が貝を見初め、1場は終了。2場へ。

2場では、1場のはじめに登場して喫茶店に人形を持ち込んで
息がり、主任にボコボコにされた腹話術師の舞台が始まります。

それがまたヘンテコな芸で、腹話術師の別れた女房を、
実は人形が寝取っていた、というネタなのですが
昨晩はその半ばまで進みました。

どのようにして腹話術師と元女房のマリムラがすれ違っていったか。
妊娠が発覚し、その子の父親が誰かも分からず堕胎し、
決して相手の名を明かさないマリムラがおかしくなってゆく
ところまで。

来週はこの続き、マリムラの妊娠の相手が露見し、
腹話術師が人形に取って代わられるシーンからスタートします。

この逆転現象、2場が「開眼」とタイトルされている意味にも
ふれながら、3場に突き進んでゆきます。

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